研究概要 |
危険性,安全技術情報を安全管理に活用するためのシステムを構築した.このシステムはプラント設計時,運用時における安全関連業務に際して,適宜,プラント設計者,運転員等に安全技術情報を提示することを目的としている.本年度は,HAZOP情報データベースと運転手順データベースを統合した. 安全技術情報を蓄積し活用する方法の一つに,他情報との関連付けによる知見抽出が考えられる.すなわち,HAZOPデータベースを構築し,他のデータベースと関連付けることにより,同一のキーワードによる類似する事例を参照し新たな危険性を抽出する,また相互参照により詳細な情報を得ることができる.例えば,「腐食により・・・」という項目があれば,「腐食」というキーワードにより類似する過去の事例の内容,対策などが参照できる.また,データベースであるので以前の事例を見たいときに提示することもでき,格納されているHAZOP情報を用いてオペレータの学習などに使用することも可能である.また,HAZOP・運転情報・事故情報と作業との関連付けにより,運転員の作業内容に関係する異常データを提示することが可能になり,作業前にそれをチェックすることで,運転員の安全意識が向上し,作業中のリスクを低減・事故防止に貢献できる.ここでは,異種情報を統合するためにオントロジー(ontology)を採用している.大規模な知識ベースを作って多くの人間でそれを共有しようとする際には,一般に専門家は人によって日ごろ用いる語彙が異なるため知識ベースのオントロジーをどう記述するかが大きな課題となっているが,本研究では,オントロジー採用したプロトタイプシステムを開発した.
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