研究分担者 |
土肥 正 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00243600)
鈴木 敦夫 南山大学, 数理情報学部, 教授 (70162922)
伏見 正則 南山大学, 数理情報学部, 教授 (70008639)
岡村 寛之 (岡村 寛明) 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10311812)
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研究概要 |
固定資産宅地評価の数理モデルの開発およびシステム開発を行った.特に,数理モデルの開発にあたっては従来の数量化理論I類の枠組みから重回帰分析へ移行することで数理モデルの適用範囲を広範囲に広げることに成功した.また従来の数量化理論I類では土地価格形成要因データの取り扱いに関して,「駅までの距離」のような量的なデータでもカテゴリに分類して離散的に取り扱う必要があったが,重回帰分析を適用することで連続的なデータの取り扱いも可能になった.さらに,同様な解析を比例ハザードモデルとよばれる確率モデルを用いたCox回帰と呼ばれる手法でも行った.Cox回帰による方法は重回帰と異なり土地価格そのものがある確率分布に従うものとして定式化することが可能であることから,土地の価格帯の推定(区間推定)が容易に行えるというメリットを有する. また,実際に東広島における土地価格要因データを用いた検証において,上記の手法を定量的に検証した.提案した確率モデル(重回帰,Cox回帰)の実際の価格への適合率を測るため,平均絶対誤差,尤度,AIC,BICという4つの基準を用いた.検証した結果はCox回帰による価格推定モデルがもっとも高い精度で価格を表現すること可能であることがわかった.また,検証にあたっては表計算ソフトウェア上にあるデータを利用するためのシステムを作成し,単純な操作によって土地価格形成要因データから土地価格を推定することを実現した.ここでは,パラメータの最尤推定に関するアルゴリズムとして最新の研究結果を取り入れている.尚,これらの結果をとりまとめて学術雑誌「応用数理学会論文誌」への投稿準備を進めている.
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