研究課題/領域番号 |
14580536
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
エネルギー学一般
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
高橋 光信 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (00135047)
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研究分担者 |
中本 義章 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (20019772)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 有機太陽電池 / 共役高分子 / 光誘起電子移動 / メロシアニン / ポリチオフェン / 光起電力効果 / ポルフィリン |
研究概要 |
[1]Al/ポリチオフェン・ショットキーバリア型光電変換素子のポルフィリン色素による増感効果の検討 p型半導体であり正孔移動度の比較的大きな立体規則性共役ポリマー:ポリ(3-ヘキシルチオフェン)(P3HT)を用いた太陽電池に対して、光吸収率を大きくすることでエネルギー変換効率の向上が見込めるかどうかを検討した。その結果、P3HTにポルフィリン色素やメロシアニン色素をブレンドすることによって、P3HTあるいは色素単独膜を用いた場合よりも数十倍大きな光電流が流れ、格段に良いエネルギー変換効率を得た。この理由を明らかにするために、特に、酸化還元電位や立体的構造を設計・合成しやすいポルフィリン色素をP3HTにブレンドした薄膜素子を用いて詳細に検討した。その結果、ポルフィリンからP3HTへの光誘起ホール移動が起こる場合に光電流の増加が顕著になることが判明した。 [2]平滑透明TiO_2電極を用いた有機薄膜太陽電池の検討 前節では、Al/有機薄膜/Auサンドイッチ型素子を用いているため、半透明Al電極側から光照射した場合には光のロスが大きいこと、また、湿気がある所でこの素子を作動させるとAlの光腐食が起こることが、このタイプの素子を実用電池とする場合に大問題となる。そこで、透明平滑TiO_2電極をAl電極の代わりに電子輸送電極として用いた。 (1)TiO_2/ポリチオフェン/Auサンドイッチ型太陽電池のメロシアニン色素ブレンドによる光電流の増加 本研究では、平滑で透明な酸化チタン薄膜を用いたTiO_2/ポリチオフェン界面を有する有機薄膜太陽電池の光利用率を向上させる目的で、共役ポリマーであるポリチオフェンにメロシアニン色素NK2684をブレンドした。さらに、電荷分離を促進するTiO_2/有機膜界面の空乏層領域について詳細に検討を加えた。平滑で透明なTiO_2電極上にP3HTを塗布したTiO_2/P3HT/Auサンドイッチ型太陽電池のP3HTにメロシアニン色素をブレンドすることによって、電池性能が大幅に向上し、太陽擬似光AM1,5-100mWcm^<-2>の照射下、エネルギー変換効率0.32%を得た。光電流発生界面TiO_2/P3HT+NK2684における有機固体側の電荷分離領域は、光照射下では光電流の光学的フィルター効果により40nm以上と見積もられた。この比較的広い範囲の電荷分離領域では、P3HTと色素の光誘起分子間電荷移動によって生じたホールと電子が効率よく電荷分離するために、このタイプの太陽電池としては大きなエネルギー変換効率が得られた。 (2)TiO_2/ポリフェニレンビニレン/Auサンドイッチ型太陽電池のDCM化合物ブレンドによる電池性能の向上 本研究では、TiO_2/ポリ[2-メトキシ-5-(2'-エチレンヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン(MEH-PPV)からなる太陽電池を検討した。この太陽電池のMEH-PPV層にアクセプター色素DCMをブレンドしたときに著しい電池性能の向上が見られ、太陽擬似光AM1.5-100mWcm^<-2>照射下でエネルギー変換効率0.47%が得られた。
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