研究概要 |
塩基性塩化アルミニウムを凝集剤に用いる光触媒分解-凝集分離装置を改良して、電解質添加により促進される二酸化チタン連続遠心分離法を開発した。その装置を連続フロー式光触媒分解装置に接続した連続フロー式光触媒分解-二酸化チタン分離装置を試作した。 1.電解質添加による二酸化チタン微粒子の凝集分離 脱イオン水に二酸化チタンと電解質(1 mM)を添加し、懸濁液pHを二酸化チタンの等電点(pH=6.5)に調節した。二酸化チタンの凝集分離に及ぼす効果はNa_2SO_4>CaCl_2>NaClの順であった。 2.電解質添加により促進される二酸化チタンの遠心分離 電解質添加後二酸化チタン懸濁液を連続遠心分離機に通過させ、排出液の流速(滞在時間)と透過率の関係を調べた。[TiO_2]=0.50g/L,[電解質]=1mM, pH=6.5,遠心速度=16,000rpm,ローター容量=2Lの運転条件では、973mL/min(2.06min)まで排出液の透過率が約98%以上(透明)であった。 3.河川水中に含まれる電解質により促進される二酸化チタンの遠心分離 化学工場の排水中に使用水(河川や井戸水)以上の電解質が含まれている。特に電解質を添加しなくても使用水中の電解質が、二酸化チタンを容易に遠心分離することができた。 4.電解質及び回収した二酸化チタンの光触媒分解に及ぼす影響 DBP可塑剤を用いた場合、電解質と再利用二酸化チタンは約20%分解を低下させた。 5.連続フロー式光触媒分解-二酸化チタン分離装置の開発 フロー式光触媒分解装置に二酸化チタン遠心分離機を接続して、連続フロー運転ができた。 6.河川水や井戸水に溶解したDBPの排水処理に、本装置を適用することができた。
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