研究課題/領域番号 |
14580592
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境保全
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
林 信行 佐賀大学, 農学部, 助教授 (50173018)
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研究分担者 |
藤田 修二 佐賀大学, 農学部, 教授 (90039339)
園元 謙二 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (10154717)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | スラリーポンプ / リキッドピストン / 加圧熱水 / もみ穀 / バイオマス / セルロース / ヘミセルロース / 糖化 / 植物系バイオマス / エタノール発酵 / 流通式 |
研究概要 |
本研究では、エネルギー収支と経済収支が成り立つ効率的な変換手法の確立を実現すべく、スラリー式加圧熱水処理による植物系バイオマスの糖化プロセスについて検討し、プロセス設計に必要な基礎的パラメータの取得を主眼において検討を行った。なお、当初予定していた遺伝子組み換えによるC5糖発酵菌の創製については特許などの関係で実施が不可能であることが判明し、対応策が見つからないまま研究期間が終了した。スラリーの送液にはダイアフラム式ポンプを改造して用いた。本ポンプはリキッドピストン式とした点に新規性を有している。スラリー流通部の弁座やチェッキボールの形状と材質の検討を行った結果、もみ殻粉砕物を5MPaの圧力条件下でダイラタント流動域付近の濃度(約25wt%)まで送液可能となった。リアクタの水熱分解反応部は100mL/minの送液量を基準として3/8inchチューブを用いた場合の昇温部および反応部の必要長さを検討し、求めた装置定数から昇温部6m、反応部33mの管型反応装置を試作した。試作した反応器を用いて、10wt%の粉砕もみ殻の200℃までの水熱分解実験を行ったところ、リアクタ内滞留時間6minでもみ殻中のヘミセルロースのほぼ全量が低分子可溶化し、パーコレータ式に比較して濃厚な分解物が得られることが実証された。続いて、200℃処理後に得られた未分解残渣を再度10wt%スラリーとして、280℃、滞留時間1minの条件で処理を行ったところ、試料中のセルロースが加水分解し、グルコースが生成した。また各処理において、リグニン混入量の少ないセルロース、ヘミセルロース分解物が得られることが示された。本研究により、高濃度スラリーを連続的に水熱処理する際のハード的な条件が明らかになり、今後、反応温度や滞留時間に関する詳細な分解検討を行うことで効率の高い分解システムの確立が可能になると考えられる。(795文字)
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