研究課題/領域番号 |
14580603
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境保全
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研究機関 | 独立行政法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
五箇 公一 独立行政法人 国立環境研究所, 化学物質環境リスク研究センター, 室長 (90300847)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | セイヨウオオマルハナバチ / オオマルハナバチ / クロマルハナバチ / 寄生生物 / ミトコンドリアDNA / 系統樹 / 遺伝的分化 / 侵入生物 / 種間交雑 / 多回交尾 / 精子 / マイクロサテライト |
研究概要 |
野生化したセイヨウオオマルハナバチによる在来種への生態影響を、交尾攪乱および寄生生物の持ち込みの観点から評価した。まず、交尾撹乱については、セイヨウオオマルハナバチの雄は在来のオオマルハナバチの女王に対して積極的に交尾をすることが室内実験から明らかにされている。このような異種間交尾がマルハナバチの増殖にどのような影響をもたらすかを明らかにするため、1)オスおよび女王の交尾行動、2)オスの日齢に伴う精子数の変化、3)多回交尾によるオス体内の精子数の変化、および女王体内の移動精子数の変化、4)セイヨウオオマルハナバチオスと在来マルハナバチ女王の交雑による精子利用の実態、を調べた。これらの調査結果よりマルハナバチのオスは多回交尾が可能であり、性比がオスに偏っていることからも雄間の精子競争が激しいことが示唆された。また異種間交雑ではセイヨウオオマルハナバチの精子は在来マルハナバチの産卵に利用され、雑種卵が生じることが示された。しかしこれらの雑種卵はふ化することはなく、交尾後生殖隔離が強く働いていることが示され、野外でセイヨウオオマルハナバチのオスによる異種間交雑が拡大すると在来マルハナバチの増殖に影響をもたらすことが示唆された。次に寄生生物の持ち込みについては、1998年に体内寄生性ダニが輸入商品コロニーから発見されており、この寄生性ダニは在来種にも感染することが室内実験によって明らかになっている。この寄生性ダニが日本の野外でも感染が拡大しているかを、マルハナバチ野外採集サンプルを解剖することで調べた。その結果、ヨーロッパ産の体内寄生性ダニが発見される例数が増加傾向にあることが示された。
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