研究課題
基盤研究(C)
東日本太平洋側における、ブナおよびブナ林の分布について、標本(187点)、文献(243件)、研究者からの私信(28件)、ホームページ(15件)を情報源として分布情報データベースを作成した。これに基づき茨城県、栃木県、福島県、宮城県、岩手県の69地域で現地調査を行い、188個体のブナから葉を採集してサンプルとし、さく葉標本も作製した。また、45地点でブナを含む森林群落の毎木調査を実施した。その結果、ブナは調査対象地域内に点々とではあるが水平的に広く分布し、垂直的にも全域で海抜100m前後〜1000m以上の範囲に分布することが確認された。ブナの垂直分布下限は暖かさの指数WI=90(℃・.月)、寒さの指数CI=-10(℃・1月)、1月の平均気温=1℃とほぼ一致した。ブナは常緑広葉樹の分布上限(北限)に平行して、一部、分布を重複させつつ、分布下限(南限)を形成していることが明らかとなった。ただし、内陸に位置する八溝山地の鶏足山塊・鷲子山塊とその周辺地域では、分布下限が著しく下降しWI=105(℃・月)まで達していた。これは常緑広葉樹の分布北限域におけるブナの遺存分布と考えられた。ブナは低海抜域あるいはWIの値の高い地域では、モミやイヌブナ、コナラ、シデ類などとともに自然林の一構成要素として生育し、海抜の上昇あるいはWIの値の減少とともに密度を高め、単一で優占する森林を形成していた。東日本太平洋側におけるブナを含む森林群落の現状について地域ごとに整理し、ブナの保全上からも、地域内に残存する様々な自然林を全体として保護していくことの重要性や、再生中のブナ二次林の保護を図ることの重要性などを指摘した。花粉分析の点からは、ブナ林表層土の花粉分析および茨城県涸沼で採取した堆積物の花粉分析を行い、年代測定も実施して、低海抜地の植生変遷の中でのブナの分布変遷を検討し、保全上の提言を行った。
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