研究課題/領域番号 |
14580610
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物有機科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
上地 眞一 神戸大学, 発達科学部, 教授 (40031364)
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研究分担者 |
江原 靖人 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (40251657)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 酵素 / 化学修飾 / エナンチオ選択性 |
研究概要 |
Candida rugosa由来のリパーゼの表面のリジン残基及びメチオニン残基を、ベンジル基、ベンジルオキシカルボニル(Z基)、P-ニトロ-Z基、及びP-メトキシ-Z基などのII電子密度の異なる芳香環を有する化合物を用いて化学修飾を行った。これらの化学修飾リパーゼの構造評価をFTIR, CDスペクトル及びキャピラリーゾーン電気泳動から行い、エステル化反応及び加水分解反応におけるエナンチオ選択性に及ぼす化学修飾基の効果について調べた。その結果、以下の事項が明らかになった。 (1)芳香環により化学修飾すると、FTIRスペクトル解析からリパーゼの2次構造のα-ヘリックス含有量が大きく減少し、高次構造の変化を伴っていた。さらに、キャピラリーゾーン電気泳動の解析から、酵素の表面電荷が負に偏っていることが明らかになった。 (2)基質として、2-フェノキシプロピオン酸類及び対応するプチルエステルを用い、化学修飾リパーゼを触媒とするエステル化反応及び加水分解反応では、エナンチオ選択性(E値)は未修飾リパーゼに比べて約10倍向上した。 (3)E値の向上効果は、初速度の測定から非優先基質であるS体の反応速度が著しく抑制されることが原因である。 (4)E値は、加水分解反応においてZ化率(TNBS法により測定した化学修飾率)が増大するにつれて向上する傾向が見られた。他の修飾基では、E値を最大にする最適修飾率が存在した。 (5)E値の向上効果の大きさは、Z>Z(NO_2)~Z(OCH_3)であった。 (6)芳香環以外のアセチル基やBoc基などによって修飾したリパーゼとの比較を行ったところ、芳香環を有する化学修飾基がE値の向上効果も大きいという傾向が見られた。 (7)Z基とは異なる性質を示すと考えられるヘキサフルオロベンゼンによって化学修飾されたリパーゼは、上記反応において高いE値を示すことが明らかになった。
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