研究課題/領域番号 |
14580638
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
島 礼 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (10196462)
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研究分担者 |
田沼 延公 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助手 (40333645)
菊池 九二三 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (20006117)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | リン酸化 / 脱リン酸化 / キナーゼ / ホスファターゼ / PP1 / トウトマイセチン / MAPK / GSK3β / S6キナーゼ / raf / Aurora kinase / gsk3b / 細胞増殖 |
研究概要 |
細胞増殖には細胞分裂に伴う構成タンパク質の増産が必須である。リン酸化による翻訳の制御としてはS6Kを介したcap非依存性翻訳調節と、MAPKシグナルを介したcap依存性翻訳調節とがある。今回は、それぞれの経路を負に制御するホスファターゼ(前者に関してはPP1、後者に関してはMAPKホスファターゼ)に焦点を絞り、以下の知見を得た。 (1)セリン/スレオニンホスファターゼ1型(PP1)特異的阻害剤の発見:我々は、トウトマイセチン/TCを培養細胞の培地に加えた場合PP1活性のみが特異的に抑制されることを明らかにした。 (2)PP1によるMAPKシグナルの制御:TCを用いてPP1のMAPK経路への関与を解明した。TCはRaf/MEK/ERK経路の活性化を特異的に阻害した。この結果に基づき、PP1の触媒サブユニットを細胞内に発現させた。PP1の触媒サブユニットがRafと結合すること、Rafの活性化には、PP1のホスファターゼ活性が必要なことを明らかにした。 (3)PP1によるAurora kinaseの制御:Aurora kinaseはM期において、中心体の分裂、紡錘体の形成、染色体の分裂などの制御因子である。その負の制御にPP1が働いている可能性を示した。 (4)GSK3βによるPP1の活性制御:細胞内において、GSK3βがPP1とその制御因子であるインヒビター2(I-2)の複合体に結合し、I-2のT72をリン酸化することによりPP1の活性を制御することを明らかにした。 (5)PP1の核の非クロマチン構造での存在:PP1がscapininと共に、核マトリックスあるいはラミナに存在することを明らかにした。PP1がscapininと結合することにより、遺伝子の転写や核膜の崩壊に関与する可能性が示唆された。 (6)MAPKホスファターゼの活性調節機構:JNK経路を特異的に負に制御するホスファターゼであるMKP-7がリン酸化により制御されることを明らかにした。
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