研究課題/領域番号 |
14580641
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
吉田 匡 山形大学, 医学部, 教授 (10004673)
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研究分担者 |
張 旭紅 山形大学, 医学部, 助手 (10292442)
佐藤 道比古 山形大学, 医学部, 助教授 (00135344)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ヘムオキシゲナーゼ / 酵素活性化 / ヒドロペルオキソ / メソヒドロキシヘム / ベルドヘム / ビリベルジン / シアノバクテリア / ジフテリア菌 / 酸素活性化機構 / ヘムの分解 / CO / ビリルビン / ビリベルジン還元酵素 |
研究概要 |
幾つかの生物種のヘムオキシゲナーゼ(HO)を用いてヘム分解機構を検討した。以下にその成果を記す。 1.ヘムがヒドロキシヘムへ酸化される過程での活性化酸素の実態が酸化型ヘム鉄に結合したヒドロペルオキソ分子種である事を実証した。2.ヘム分解過程の三つの段階での基質特異性について検討した。第2段階では特異性を欠くが、第1と第3段階ではα特異性がある事を証明した。3.初めて藍草のHO-1の大腸菌での発現系を確立した。精製した藍草のHO-1とヘムとの複合体での、ヘム分解反応は哺乳類に比べて緩やかであった。これはヘムポケットの構造に起因する、酸素活性化機構の違いに因るものと思われた。4.ジフテリア菌のHOの結晶化とその解析、更には酸素化型の結晶化とその解析に成功した。ヘムに結合した酸素分子はヘムのα-メテン炭素に向かって屈曲しており、私どもの以前の共鳴ラマン法で推測された結果を立証できた。5.一般のHOではα型のビリベルジンしか生成しない。しかし、緑膿菌のHOではβとδ型が生成される。未だ結晶解析の報告はないが、これは恐らく、αメテン部位がアミノ酸残基によってマスクされていることによって起ると考えられる。そこで、ヘムを回転させる事に因ってα体の生成が見られると考え、幾つかの変異酵素を作成し成功した。6.今まで昆虫のHOの酵素化学的な報告は全くなかった。今回、私どもはショウジョウバエのHOの大腸菌での発現と精製に始めて成功した。反応機構の大筋は他の酵素に比べてほぼ同じではあったが、過酸化水素で反応が進行せず、また、ベルドヘムの捕捉が出来ないなどかなりの違いが観察された。驚くべき事に、ヘムの酵素との結合に第5と第6配位子は無関係であった。これがショウジョウバエのHOの独自性の源と思われた。
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