研究課題/領域番号 |
14580643
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
星野 真一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 講師 (40219168)
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研究分担者 |
荒木 保弘 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (60345254)
仁科 博史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (60212122)
堅田 利明 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10088859)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | mRNA / GTP結合蛋白質 / 翻訳 / poly (A) / poly (A)結合蛋白質 / 翻訳終結 / アポトーシス / mRNAデアデニレース / G蛋白質 / mRNA動態 / ポリA鎖結合蛋白質 / mRNAデアデニラーゼ / ポリA鎖分解 / 翻訳開始 / リボソーム / ポリA結合蛋白質 / 脱アデニル化 |
研究概要 |
翻訳終結は遺伝子発現の最終段であり、合成したポリペプチド鎖をtRNAから切り離す反応過程である。これまで翻訳終結過程はこのような単に翻訳を終わらせるためだけの反応過程と考えられてきたが、我々は翻訳終結因子eRF3/GSPTの機能を解析する過程で、翻訳終結過程が翻訳終結後におこる2つの事象と共役していることを明らかにしてきた。1つはmRNA分解であり、もう1つは翻訳開始である。すなわち、翻訳終結と共役して、翻訳を終えたリボソームは効率良く次の翻訳開始にリサイクルされると同時に、翻訳を終えたmRNAの分解が進行することを明らかにした。従って、翻訳終結は当初考えられていた以上に遺伝子発現において重要な制御部位になりうることを意味している。 本研究においては、特に翻訳終結と共役したmRNA分解機構の詳細についてさらに検討を加えた。その結果、翻訳終結はmRNA分解の律速段階であるポリA鎖の短縮化過程と共役しており、このポリA鎖の短縮化を制御する酵素としてPANデアデニレースを同定した。また、これまでモデル系として用いてきた出芽酵母に加えてヒトにおける解析を行い、ヒトにおいてもPANデアデニレースが存在することを明らかにし、実際に細胞内においてmRNAのポリA鎖分解に関わる酵素であることを証明した。PANは翻訳終結因子と同様、mRNAの3'末端ポリA鎖に結合するポリA鎖結合蛋白質PABPと相互作用するが、両者の結合は競合的であり、翻訳の進行に伴って翻訳終結因子からPANへの置換が起る。PANはPABPによって活性化されるため、その結果ポリA鎖の分解が翻訳終結と共役しておこるという分子機構を明らかにした。一方、翻訳終結因子eRF3/GSPTはPABPとの結合部位において切断をうけ、アポトーシス阻害因子であるIAPと結合することでカスパーゼを活性化してアポトーシスを引き起こすことを発見した。このようにeRF3/GSPTはアポトーシスの制御因子として機能すると同時に、翻訳終結過程がアポトーシス時の翻訳阻害のターゲットになる可能性を乱した。
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