研究課題/領域番号 |
14580651
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
|
研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
野口 知雄 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (30073688)
|
研究分担者 |
増田 渉 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (80295865)
林 寿恵子 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (30047807)
藤原 智子 九州歯科大学, 歯学部, 助教授 (20047806)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 動物進化 / プリンの分解 / 尿酸の分解 / アラントイナーゼ / アラントイカーゼ / ウレイドグリコレートアーゼ / ペルオキシソーム / カエルアラントイナーゼcDNA / ウレイドグリコレートリアーゼ |
研究概要 |
プリン塩基の分解過程において、尿酸までの経路は全動物種に共通して存在するが、尿酸以降の分解は種によって異なる。我々は、全動物種に共通のプリン塩基から尿酸までの分解は動物種に限らず、肝臓のCytosolで進行するのに対し、魚類では、尿酸から尿素までの分解が肝臓のベルオキシソームで進行することから、動物進化の過程でperoxisomeの酵素だけが選択的に脱落したことを報告した。さらに、魚類ではALNとALCが別個の酵素として存在するが、両生類に進化すると両酵素が複合体(ALNC)を形成し、さらに進化すると脱落することを、蛋白化学的に、免疫化学的に示してきた。今回の研究はALNとALCの複合体(ALNC)の形成と脱落の機構を遺伝子レベルで解明することであり、以下の実績を得た。1.両生類ALNC複合体の内、ALNサブユニットのcDNAを得、塩基配列を決定した。推定されるアミノ酸配列はカエル肝より精製したALNのアミノ酸配列と一致した。2.ALN, ALCが異種蛋白として存在する魚類の酵素は、生棲域によりその細胞内存在様式を異にしている。3.ラット肝に哺乳類には存在しないと思われていたUreidoglycollate lyaseが存在すること、Kmの濃度を高める事によって,動物が高等なほど酵素活性を失っていく事を明らかにした。4.牛用ガエルのcatalaseのcDNAをクローニングした。また肝臓にALNCとは異なるALN活性のみを示すfreeのALNが存在することを明らかにした。本酵素は酵素学的、免疫学的性質から魚類ALNと両生類ALNCの中間型であることが示唆された。5.生息域の異なる海棲、汽水域、淡水の魚類を、さらに食性と関連して、肉食、草食、雑食の三グループに分類し、それぞれALNの細胞内分布をperoxisome matrixとCytosolに分け、ALNCの分布をperoxisome matrix、peroxisome膜外表面に結合型として存在している魚類の代表として、それぞれイワシ、サバ、ニジマス、アユ、ボラ、スズメダイ、オイカワ、フナを用いた.肝臓よりALN、ALCを精製し、一部のアミノ酸配列よりプライマーを設計して、RT-PCR反応より合成したcDNAを用いてfull-lengthを決定し、牛カエルのALN、アフリカツメガエルのALCのC末端アミノ酸配列を比較して、peroxisomeの移行シグナル及び局在化を検索し、ALN、ALC酵素のサブユニットの複合体(ALNC)形成と解離を比較した。
|