研究課題/領域番号 |
14580679
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小村 潤一郎 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10215410)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | クロマチン / ヌクレオソーム / 電離放射線 / 電解放射線 |
研究概要 |
1.以前に、高等真核細胞内の各遺伝子上でヌクレオソームがどの領域を占めているか(並進上の位置)を詳細に決定する方法を開発したので、今回、これを補うものとして、細胞内の各ヌクレオソーム上でDNA2重螺旋のどの部位がヒストンに面しており、どの部位が溶液に露出しているか(回転上の位相)を正確に決定する方法を開発した。この方法は、細胞のX線照射およびDNA1本鎖切断のligation-mediated PCR法による解析からなる。また、上記2方法を用いて、転写活性とヌクレオソーム配置との関係を検討した。とくに、定位置に局在するヌクレオソームをプロモーター内に持つような遺伝子をとりあげ、局在ヌクレオソームのふるまいについて以下のような解析を行った。 2.細胞を血清で刺激すると、c-FOS遺伝子の急速な活性化がみられるが、これにはc-FOS領域のヒストンのアセチル化、リン酸化の変化が伴っている。ヒト2倍体培養細胞を血清刺激したとき、c-FOSプロモーター内に局在するヌクレオソームに関して位置関係の変化が生じているかを検討したが、全く変化が認められなかった。このヌクレオソームは、遺伝子活性化に際して化学修飾を受けるにもかかわらず、一切の位置変化を起こさないようである。 3.細胞周期のM期においては、ほとんどの遺伝子で転写は完全に停止する。M期のHeLa細胞のc-FOS遺伝子およびRNU6遺伝子のプロモーター内におけるヌクレオソームの分布を解析したところほぼランダムとなっており、間期における局在は全く失われていることが判明した。このことから、M期における転写の停止には、転写活性に対応したヌクレオソーム配置・クロマチン構造の喪失が関係していると推測している。
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