研究課題/領域番号 |
14580685
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
平井 秀一 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (80228759)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | シグナル伝達 / 大脳皮質 / JNK / 細胞移動 / 神経 / MUK / ノックアウトマウス / 細胞極性 / 微小管 / 神経細胞 / MAPキナーゼ |
研究概要 |
JNKは細胞が紫外線や浸透圧ショック等のストレスを受けた際に活性化されるタンパク質リン酸化酵素で、その生理機能は多岐にわたると考えられるが、その全容は明らかになっていない。線虫やショウジョウバエにおいてJNKは神経組織の構築や機能発現に関わっている事が報告されているが、哺乳類の神経においてはアポトーシスへの関与に関する報告が主で、その他の機能についての報告は極めて少ない。タンパク質リン酸化酵素MUKは、主に神経組織に発現しているMAPKKKクラスのタンパク質で、我々はこれまでにこれがJNKを活性化することを明らかにして来た。本研究ではMUK-JNK経路の神経組織発生における役割を明らかにする目的で、まずマウスの発生過程におけるMUKタンパク質の発現パターンを検討した。その結果、E11頃から極めて神経特異的なMUKの発現が見られ、特に大脳皮質の形成過程においては、特定の分化段階にある細胞群にのみ高い発現が検出された。この細胞群ではJNKの活性が他の部分に比べて著しく高くなっており、MUK-JNK経路が大脳皮質の神経分化の特定の段階で何らかの機能を果たしている事が予想された。この機能を明らかにする目的で胚終脳の脳室帯細胞にMUKもしくはこれのキナーゼ活性喪失変異体のアデノウイルスベクターを導入した結果、MUKの恒常的な発現による分化直後の神経細胞の極性を持った移動の阻害が認められた。一方MUKノックアウトマウスの作成を完了してこれの解析を始めており、これまでに神経細胞の移動異常の他、ある種の神経の軸索伸長にも異常が見つかっている。今後このMUKノックアウトマウスの表現型を詳しく解析すると共に、JNKとの遺伝的相互作用の有無、MUK-JNKが細胞移動や軸索伸長を制御する分子機構を明らかにして行く方向で研究を展開したい。
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