研究課題/領域番号 |
14580709
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
黒田 律 富山大学, 理学部, 助手 (50064879)
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研究分担者 |
黒田 英世 富山大学, 理学部, 教授 (50064845)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ウニ卵 / 受精 / Ca^<2+>-transient / 一酸化窒素 / cGMP / IP_3 |
研究概要 |
ウニ卵受精時に起きる細胞内カルシウムイオン濃度([Ca^<2+>]_i)の一過性上昇(Ca^<2+>-transient)は卵の活性化・発生開始に必要である。ウニ卵のCa^<2+>-transientは、細胞内Ca^<2+>動員の情報伝達系のモデルとして古くより研究され、その動向は脊椎動物の受精や体細胞を研究するグループからも注目されてきた。近年、Ca^<2+>-transientの誘起には一酸化窒素(NO)が必要にして十分だという説が出された。その可能性を検証して、以下の結果を得た。1)精子のNO合成酵素を阻害すると、Ca^<2+>-transientの潜時がわずかに延長し、卵のcGMPとIP_3生産が顕著に遅延したが、Ca^<2+>-transientはブロックされなかった。2)NO感受性guanylyl cyclaseを阻害すると、Ca^<2+>-transientの潜時が顕著に延長し、媒精直後のcGMP増加がブロックされ、IP_3増加が著しく遅延し、ピーク値も半減した。3)NO scavenger oxyhemoglobinはCa^<2+>-transientにほとんど影響を及ぼさなかった。4)細胞内NO濃度([NO]_i)と[Ca^<2+>]_iの同時測定により、Ca^<2+>-transient開始前後に[NO]_i上昇があるかないか検討したが、検出出来なかった。5)NO感受性guanylyl cyclaseの阻害剤あるいはIP_3 receptorの阻害剤とCa^<2+> channel blockerの併用はCa^<2+>-transientの大幅な遅延をもたらした。精子のCa^<2+> channelが作動出来る事が必要なようである。以上から、NOはウニ卵の受精のCa^<2+>-transientにおいて機能している事を支持する積極的な証拠は得られなかったが、cGMPの重要性は再確認された。
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