研究課題/領域番号 |
14580722
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
小山 文隆 独立行政法人理化学研究所, 構造神経病理研究チーム, 研究員 (40194641)
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研究分担者 |
原田 彰広 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (40251441)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / タウ / タウ欠損マウス / トランスクリプトーム解析 / Gem GTPase / 細胞伸長活性 |
研究概要 |
アルツハイマー病(AD)は老年期痴呆の主な原因で、微小管結合タンパク質のタウを主成分としたpaired helical filament (PHF)の形成はその神経病理学的特徴の一つである。PHFは神経細胞の脱落および痴呆の出現と一致するので、その形成機序はADにおける神経細胞死の解明につながると考えられている。最近、常染色体優性遺伝の前頭側頭型痴呆症(FTDP-17)の原因遺伝子がタウであることが示された。タウ遺伝子の変異はPHF様の構造物の形成、神経細胞死をおこす。このことはADなどPHFの形成を特徴とする神経変性疾患においても、タウが神経細胞死に関与する可能性を強く示唆する。 タウに関係する分子を明らかにするため、タウ欠損マウス(タウノックアウトマウス)をトランスクリプトーム解析した。DNA microarray法、続いてRT-PCR法による解析で12種類の遺伝子の発現がタウの欠損で変化していることが分かった。タウは微小管結合タンパク質であるので、微小管に結合し、細胞骨格系の再構成に関係する低分子GTP加水分解酵素のGem GTPaseに注目した。Gem GTPaseはタウ欠損マウスで発現が上昇していた。タウを全く発現していないCHO細胞にGem GTPaseを過剰発現するとCHO細胞が細長い形態に変化した。他方、Gem GTPaseをタウと共に発現するともとのCHO細胞の形態にもどった。Gem GTPaseの細胞伸長活性はタウの微小管結合部位で抑制された。また、MAP2、MAP4の微小管結合部位でもGem GTPaseによる形態変化は抑制された。以上のことからタウはGem GTPaseの発現レベルと細胞伸長活性を制御していることがわかった。
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