研究課題/領域番号 |
14580732
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
前田 光代 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (40122080)
|
研究分担者 |
濤川 一彦 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50312468)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
|
キーワード | gene therapy / Cre-loxP system / C6 glioma / herpes simplex virus thymidine kinase / ganciclovir / astrocyte specific promoter / アストロサイト / 脳腫瘍 / 遺伝子治療 / Cre / LoxP / アデノウイルス |
研究概要 |
現在臨床段階で最も多く検討されている脳腫瘍の遺伝子治療はHSV-tk geneを自殺遺伝子として脳腫瘍細胞に導入し,ganciclovir (GCV)を投与して抗腫瘍効果を導くものであるが、腫瘍細胞のみならず、腫瘍細胞周囲の健常な脳組織まで死滅し、薬物効果による非選択的な障害はさけられなかった。そのためにはウイルス増殖過程では目的遺伝子の発現が抑えられ、標的細胞に感染させた時に初めて、発現する厳密な発現制御系を用いることが必要である。これらの問題解決のためにアストロサイト特異的プロモーターを使用し、近年新たに開発されたCreリコンビナーゼとその認識配列であるloxPを用いた発現制御系を使用し脳腫瘍の遺伝子治療効果について検討することを目的とし、ラットC6グリオーマモデルを用い本実験を行った。このシステムではCAGプロモーターと、目的遺伝子HSV-tk間のスタッファー領域は、polyAシグナルのためsilent formとして、目的遺伝子は発現せず、GFAPプロモーターを有するCreリコンビナーゼをコードしている制御ウイルスを共感染させることにより、loxP配列が切り出され、目的遺伝子であるHSV-tkの発現が生じ、アストロサイト由来の悪性グリオーマに特異的に抗腫瘍効果を期待することができる。結果、腫瘍細胞への感染はウイルスの濃度依存性に増大し、種々の細胞間での比較検討の結果ウイルスとGCV両者の投与で、C6 gliomaにのみ特異的に細胞の殺傷効果が認められた。ヌードマウス皮下投与実験ではウイルスとGCV両者の投与群でのみ腫瘍サイズの縮小化が観察された。 脳内に作製された腫瘍へのアデノウイルスベクターとGCVの投与群治療群では治療開始後40日で、腫瘍細胞の完全な消失嚢胞化を認め、生存率も増加し、この新しく開発されたシステムの有効性が確認された。
|