研究課題/領域番号 |
14580737
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森島 真帆 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50204722)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | アミロイドβタンパク質 / アルツハイマー病 / γ切断 / プレセニリン / APP |
研究概要 |
プレセニリン依存性γセクレターゼによるAPPのγ切断とγ'切断(ε切断)の関係を調べることにより、γセクレターゼのAPP切断機序(Aβの産生機序)について検討した。 1.APPのγ'切断部位の近傍に種々のアミノ酸変異を導入し、γ'部位での切断の抑制を試みた。γ'部位での切断を完全に抑制することはできなかったが、γ'切断部位を変化させる変異はγ切断部位にも影響を及ぼし、Aβ40とAβ42の産生割合が変化した。 2.プレセニリンおよびAPPのアルツハイマー病変異がγ'切断に及ぼす影響について調べた。その結果、変異によりγ切断が変化してAβ42の産生が増加すると同時に、γ'切断により生じるCTFγの分子種も変化し、CTFγ50に対するCTFγ49の割合が増加することが分かった。AβとCTFγの分子種の対応は1:1ではないが、Aβ42の産生が増加したときにCTFγ49の産生割合の増加が見られた。従って、γ切断とγ'切断は密接に関係しており、相互に深く関係していることが示唆された。 3.γ'切断がγ切断よりも先行するという仮説を立て、これを検証するために、その場合に産生されることが予想されるAβ領域を含む長い断片を探索した。まず、そのためにurea入りゲルを用いた電気泳動法の条件を改良して、種々の長さのAβ分子を1アミノ酸残基の違いで分離できる泳動システムを開発した。細胞内のAβを免疫沈降してwestern blot法で解析した結果、細胞内には通常見られるAβ42/43よりも長い幾つかのAβ分子種が存在することが分かった。これらの長いAβ分子種を解析することにより、APPのγとγ'切断部位の間には複数のγセクレターゼ切断部位があり、3アミノ酸残基ずつ連続的に切断されている可能性が示唆された。
|