研究分担者 |
鶴野 玲治 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 助教授 (10197775)
山本 耕之 久留米工業大学, 工学部, 助教授 (40158275)
石川 聖二 九州工業大学, 工学部, 教授 (90128116)
川田 高士 久留米大学, 医学部, 医員
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研究概要 |
下記の通り,当初計画に沿った研究を実施した. まず,切断膝関節標本の前十字靭帯表面に多点マーカを張り付け,膝屈曲に伴う靭帯の変形形状とマーカ位置を3台のビデオカメラで記録した.同一マーカを3方向からのカメラで記録することにより,カメラキャリブレーションを行わずに,マーカの3次元位置を算出するアルゴリズムを考案し,測定実験で得たマーカ位置を基に靭帯のひずみ分布を求めた. 次いで,上述した測定実験ならびにモーションキャプチャーから得られたデータを基にレンダリング技法を用いて靭帯形状とひずみ分布を画像表示した.膝屈曲に伴う靭帯形状(ひずみ分布)の変化をより分かり易く表示するためのアニメーションをも作成した. 以上により,基礎データを蓄積した後,インタクトな切断膝を対象に訓練用内視鏡を用いて,膝屈曲に伴う前十字靭帯の変形形状の観察・記録を行い,in vivoではあるが,ひずみ分布測定が可能なシステムを構築した. ただし,測定・解析の結果,内視鏡による至近距離,広角視野撮影では,測定誤差が靭帯伸びひずみに匹敵するほどに大きくなることが判明した.このため,これまでのアルゴリズムに代えて,以下の2方法を併用することにした.まず,第一は,マーカに変えて,靭帯表面線維束を対象とした線分のモーションキャプチャー法を開発し,測定実験と解析を行ったことである.第二は,靭帯の陰影画像を基に,靭帯の三次元形状を復元し,その三次元形状の変形から靭帯の表面ひずみを算出するアルゴリズムの構築とプログラムの開発を行ったことである. 以上2点の改良により,内視鏡画像による靭帯のひずみ分布のin vivo計測が可能となった. 今後は,低侵襲型のマイクロファイバースコープの開発へと本研究を発展させていく意向である.
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