研究課題/領域番号 |
14597002
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
非営利・共同組織
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
土屋 俊幸 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究部, 助教授 (50271846)
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研究分担者 |
山本 信次 岩手大学, 農学部, 助教授 (80292176)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 自然地保全NPO / ナショナルトラスト / 森林ボランティア / マサチューセッツ州 / ランドトラスト / コーディネーションNPO / 共同占有権 / ナショナル・トラスト運動 / 国有林 / パートナーシップ / ランド・トラスト |
研究概要 |
日本国内の自然地保全NPOの活動実態、自然資源管理の状況等について、個別事例の聞き取り調査を行った。聞き取り対象は、いわゆるナショナル・トラスト運動に分類できるもの、自然地保全や森林ボランティアに関わる団体間で諸活動のコーディネーションを行う団体である。また、アメリカ合衆国マサチューセッツ州において、複数の自然地保全NPO、あるいは自然地保全NPOと各級政府諸機関との協働を推進する、いわゆるコーディネーションNPO的な機能を持つ団体について聞き取り調査を行い、その活動の実態を把握した。 今回の調査研究から言えることは、日本における、いわゆるナショナルトラスト運動は、地価が非常に高いこと、自然地保全に関わるNPO等への税制・財政的支援がほとんどないこと、保全を目的とした土地所有者による土地の寄付への税制的支援がないこと、等から停滞的であり、ほとんど新たな運動の構築が行われ難い状況にあるのに対して、土地所有を媒介しない自然地保全運動は、森林ボランティア運動に代表されるように、1990年代後半以降、著しく発展していることである。こうした傾向の中で、既存のナショナルトラスト運動も、自然観察活動、環境教育活動、森林ボランティア活動、エコツーリズム/グリーンツーリズム活動などへと運動の重点を移す傾向にあると考えられる。これは、ある土地における継続的な保全活動を通じて、宮内泰介の言う「共同占有権」獲得の方向へと運動が向かっていると解釈できるかも知れない。一方、自然地保全NPO間のコーディネーションを役割とするいくつかのNPOをみてみると、いずれも協働的な事業に積極的に取り組みつつある。このようなコーディネーションNPO的な活動は、米国マサチューセッツ州では多くの事例が見られ、まだごく少数のNPOが担っているに過ぎない日本の立場からは学ぶべき点が多い。 今後の研究方向としては、様々な自然地保全NPOの協働の実態について調査を深めると共に、日本における自然地保全のためのNPO運動の方向性について、中期的な戦略(そのために必要な政策のあり方も含む)づくりを進める必要がある。
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