研究課題/領域番号 |
14598003
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ポストゲノムのナノサイエンス
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
青柳 東彦 長崎大学, 工学部, 教授 (80037267)
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研究分担者 |
大賀 嘉信 和光純薬工業(株), 試薬開発部, 主任
新留 琢郎 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 助手 (20264210)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 遺伝子キャリアー / デンドリマー / 両親媒性ペプチド / トランスフェクション / 培養細胞 |
研究概要 |
細胞内へ遺伝子を送達する手法に関する技術開発はポストゲノムにおける未知遺伝子の機能解析のためのツールとなるばかりではなく、難治疾患を克服できると期待されている遺伝子治療をより現実的なものにするための重要な技術でもある。 昨年度は主にデンドリティックポリリジンを主骨格とした遺伝子キャリアー分子について評価を行い、その結果、枝分かれ末端のアミノ酸がアルギニンの場合、最も高い遺伝子発現効率を示すことを明らかにした。また、末端をヒスチジンに置き換えた場合、pH依存的な遺伝子導入が観察された。本年度はさらにデンドリティックポリリジンの一般試薬としての性能を既存の市販試薬と比較した。レポーター遺伝子としてルシフェラーゼと緑色蛍光タンパク質の両方を用いて、遺伝子発現の総量と発現細胞の割合を評価した結果、脂質系のトランスフェクション試薬(Lipofectamine 2000)が高い毒性を示しながらも、多くの細胞に高い割合で遺伝子発現している様子が観察された。一方、デンドリティックポリリジンの場合では、発現している細胞の割合は低いものの、発現の総量は非常に高く、再現性・精度も有意に優れ、毒性も極めて低かった。脂質系のトランスフェクション試薬が多くの細胞にダメージを与え、生細胞の数を減らしていることを考慮すると、デンドリティックポリリジンは低毒性の試薬として有望であることが示された。さらに、血清存在下でのトランスフェクション効率も大きく低下することはなく、適用範囲は広いと考えられる。 マウス体内に直接投与することによるトランスフェクション効率も評価した。その結果、デンドリティックポリリジン-DNA複合体の血中滞留性は非常に高く、また、腫瘍内部にも進入できることから、in vivoでも利用できるトランスフェクション試薬として期待される。
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