研究課題/領域番号 |
14601005
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 企画調査 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
木村 琢麿 千葉大学, 法経学部, 助教授 (40234364)
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研究分担者 |
堀 成美 都立駒込病院, 感染症科, 研究員
巻 美矢紀 千葉大学, 法経学部, 助教授 (90323386)
徳本 広孝 明治学院大学, 法学部, 助教授 (20308076)
佐伯 哲郎 法政大学, 大原社会問題研究所, 研究員
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 疫学 / 倫理基準 / IRB |
研究概要 |
本研究は、日本の医学研究における倫理基準の定立・運用が、ヒトゲノム・遺伝子研究に偏っており、疫学研究に及んでいないという問題意識から、国内外の実態調査を行うとともに、法学・医学・社会学の観点から国際比較研究をするものである。 1.日本の主要な研究機関に対してアンケート調査・聞き取り調査を行った。従来型の倫理委員会が遺伝子研究を中心に審査しているにとどまり、組織面、審査手続、審査基準の有無などの面で未整備な状況が示された。 2.欧米の実態調査としては、アメリカのジョンズポプキンズ大学を中心に、IRB (Institutional Research Board:施設内審査委員会)の聞き取り調査をした。この結果、IRB成立の社会的背景、組織・手続の厳格性が明らかになった。ヨーロッパについては、文献調査を中心とした。 3.本研究期間中に、日本の厚生労働省・文部科学省により「疫学研究における倫理基準」が策定されたので、この基準の内容を審議経過(議事録など)とともに検討した。当初は欧米の例を参考にした考え方も見受けられたが、最終的には、従来の遺伝子研究に対する基準と同様の抽象的な文言にとどまることになった経緯が示された。 4.これらをもとに、日本と外国との比較検討を行った。わが国と諸外国とのあいだには、疫学研究の歴史的起源の相違があることにも触れている。基本的には、審査手続においてインフォームド・コンセントの実質が保たれていないこと、組織面で外部の専門家を導入する必要性などが指摘でき、アメリカ型のIRBの観念を導入するのが好ましいと考えられるが、本研究をもとに具体的な改革案の作成をするためには、いっそうの継続的考察が要される。
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