研究課題/領域番号 |
14605032
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 企画調査 |
研究分野 |
船舶工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松村 清重 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10135668)
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研究分担者 |
西尾 茂 神戸商船大学, 商船学部, 助教授 (30208136)
長谷川 和彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60106804)
鈴木 博善 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00252601)
新田 保次 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20093445)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 交通心理学 / 心理平衡 / 熱力学 / 状態方程式 / 心理仕事 / 心理エントロピー / テリトリ / 膠着 |
研究概要 |
本研究は人的、社会的、海域環境の観点から、従来の操船学、船舶工学、心理学といった縦割り学問分野を融合し、新たに操船物理心理学、交通物理心理学という新学問分野の創成を目指し、より豊かな社会形成に向けた提案を行おうとするものである。計画では他分野間の連携を掲げたが、主として場の理論に造詣の深い流体力学者を中心に、場の理論の心理学的発展可能性を調査検討した。その結果以下のことが明らかとなった。 1)膠着心理平衡 熱力学的観点から、操船者の心理エントロピを用いて心理平衡の概念を説明することを試みた。具体例として、2つ以上の船が互いに何らの情報の交換もなく、互いの動きだけを見て縦列航走できる可能性について調べた。その結果、 ・単純な心理平衡はなく、平衡があるとすれば互いの思惑が対立する膠着により生じると考えられる。 ・2船の膠着平衡の場合、加速性能の悪い大きい船の操船者はより心理温度が高く、加速性能の良い小さい船の操船者の心理温度は低い。性能差や個性差が小さい場合、意志集中の行いやすく能力の高い操船者同士間に限って膠着が生じる。 ・3船以上の場合についても膠着のメカニズムを説明し、膠着平衡温度を求め得ることがわかった。しかし、近似解にしても非線形方程式の求解は難しく、十分な検討はできなかった。 2)4変数系熱力学アナロジ 閉塞性P、行動ボリュウムV、心理温度Tに加えて、操舵指標Nを導入し、PVN=fTを操船者の心理状態方程式とする4変数系熱理学表現を行った。このとき意志エントロピはNを含めた対数微分和で表現できる。操舵効果は自船の進行方向ベクトルと閉塞性勾配の内積によって表現すれば、行動ボリュウムまたは閉塞性の表現改良となり、従来、操船学で研究されてきたものと一致する。
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