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ミャンマーにおける住血吸虫症疫学調査

研究課題

研究課題/領域番号 14607006
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分企画調査
研究分野 公衆衛生学・健康科学
研究機関長崎大学

研究代表者

谷村 晋  長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (60325678)

研究分担者 山本 秀樹  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (50243457)
溝田 勉  長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (60229721)
研究期間 (年度) 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
キーワードミャンマー / 住血吸虫
研究概要

ミャンマー国における住血吸虫症の存在は、古い文献による記述があるものの、ミャンマー政府やWHOによる公式報告ではその記述がない。ミャンマー政府の住血吸虫に対する関心は薄く、未だかつて住血吸虫症に関する学術的調査が行われたことはなかった。本調査では、ミャンマー国イラワジ川流域に居住する住民を対象に糞便検査を行い、住血吸虫及び腸管寄生虫の疫学調査を行った。イラワジ川中域に位置するニャンウ市とパッコック市からイラワジ川に近い10村落に住む5-10歳の男女(1村落約30人合計332人、男児171人、女児161人)を本調査の対象とした。検便容器配布時に身長体重を測定し、腹痛・下痢の有無を調べた。回収した便の虫卵検査はホルマリンディタージェント法を用いた。便の回収率は90.1%であった。検査の結果、住血吸虫(0%)、蛔虫(16.1%)、鈎虫(0%)、鞭虫(0.7%)、小形条虫(3.0%)、縮小条虫(1.3%)、蟯虫(1.7%)、ジアルジア(15.4%)であった。有病率は村落によって大きく異なり、地域差と家族集積性が認められた。特に社会経済要因による地域差が観察されたのは蛔虫であり、便所を持たない村落では蛔虫有病率が92.6%だったのに対し、便所を持つ村落では0-27.5%であった。住血吸虫症と診断された患者を1名発見したが、医師・検査技師にインタービューした結果、誤診であると判断された。ミャンマーでの調査は、移動許可書や村落立入許可書などあらゆる許可申請が事前に必要であり、また許可書取得も困難であるため、著しい行動制約と時間消費が要求される。そのため、本研究期間(1年間)では、それほどの進展をみることはなかったが、調査対象村落及び管轄自治体では強固な協力体制を確立することができたため、今後、国際共同研究に発展する素地ができたと思われる。そのため、住血吸虫のみならず、腸管寄生虫などの他の疾患における共同研究プロジェクトへの発展が期待される。なお、今回の調査ではイラワジ川以外の河川で調査を行うことはできなかったが、今回、イラワジ川及び他の河川における英国研究者グループの住血吸虫症大規模調査の準備が進行中であることが判明し、彼らの手によって住血吸虫症が発見される可能性もあることがわかった。そのため、英国・ミャンマー・日本の国際共同研究に発展する可能性もある。

報告書

(1件)
  • 2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

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