研究課題/領域番号 |
14607024
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 企画調査 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上田 國寛 京都大学, 化学研究所, 教授 (00027070)
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研究分担者 |
渡辺 清明 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (20101983)
戸谷 誠之 昭和女子大学, 生活機構学, 教授 (70163988)
神辺 眞之 広島大学, 医学部, 教授 (70034139)
北村 聖 東京大学, 医学教育国際協力研究センター, 教授 (10186265)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 遺伝子検査 / 妥当性 / 有用性 / 論文収集 / 評価基準 / EBGT / EBM / ネガティブデータ |
研究概要 |
本研究は、最近急速に臨床導入が進みつつある遺伝子検査について、3省指針や8学会ガイドライン(案)に謳われた検査の妥当性と有用性を検討する医療システムを作るため、検査の診断特性を解明して臨床的有用性を評価する系統的な論文収集法と評価基準を提言することを目的とした。 この目的達成に向けて、2回の班会議(7月24日京都、1月30日京都)と2回の公開講演会(「EBGT:遺伝子検査のEBM」10月24日京都、「EBGT(根拠に基づく遺伝子検査)を目指して」12月13日東京)を開催した。これらの活動を通して、以下の研究成果を得た。 1.遺伝子検査の妥当性と有用性を評価する医療システムが国内外ともに未整備であることの認識-----EBM(科学的根拠に基づく医療)体制の中でもこの領域が特に遅れている原因が遺伝子・遺伝現象の特性と検査方法の急展開によるデータ不足にあることを明らかにした。 2.EBGTのためのデータ収集と評価のための基準を確立する必要性-----厳密な評価に用いうる論文(データ)が現在ほとんどない状況が明らかとなり、早急に研究プロトコル、評価基準、論文収集基準、評価法を確立して、これに向けた論文作成を提言していくことが必要と結論された。 3.ネガティブデータ収集の必要性-----報文自体に有用性への偏向(バイアス)があること、すなわち有用性を報じるポジティブデータのみが有力雑誌に掲載され、利用される危うさを明らかにした。今後、ネガティブデータも等しく収集し、有用性評価に使いるシステムの構築を指向することとなった。 以上の成果に基づき、緊急アピール「遺伝子検査の妥当性と有用性に関する評価機構の早期設置を要望する」を作成し、関係省庁、施設ならびに団体に発信した。また、本研究班のメンバーが積極的に関連諸団体(NCCLS、JCCLS、遺伝子検査標準化委員会、日本規格協会、バイオインダストリー協会など)に参画し、本研究の趣旨に沿った活動、特に関連領域の密接な連携ネットワークの構築に貢献した。
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