研究課題/領域番号 |
14651020
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験系心理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 和生 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80183101)
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研究分担者 |
石川 悟 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30344477)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | メタ認知 / 自己認知 / 心の理論 / 幼児 / 霊長類 / 認知発達 / 意図理解 / 比較認知科学 |
研究概要 |
ヒト幼児における読心過程の検証のため、他者の内的状態の推定過程を行動の生起に必要とし、その推定過程を効果的に行動指標として測定可能となる課題の探索をおこなった。幼児は、自身がジョイスティックを用いて操作するキャラクタとコンピュータが制御するキャラクタの間で、お互いに「おにごっこ」をすることを求められた。どちらのキャラクタが「おに(内的状態)」であるかは明示される場合とされない場合があり,後者の場合には、相手の内的状態を推定する必要があった。5歳児に比べ6歳児は「おに」の明示/非明示に関わらず課題の遂行に支障がなかったが、一方で日常の生活において既知である知識を幼児がいかにテレビゲーム場面で利用できるか、という点が問題点として提起された。 また相手の過去の行動履歴から相手の内的状態を推定する「内部モデル」を用いると、読心過程と考えられる「相手の内的状態の推定過程」が実現でき、複数種類の対戦相手に対して適切な行動が生起することがコンピュータシミュレーションで示された。 オマキザルは、2個体が異なる操作を要求される共同作業課題を自発的に解決し、同時に相互的利他行動をすることを示した(服部らとの共同研究)。オマキザルが、他者の失敗行動から正しい行動を学ぶことができるか否かを検討し、個体差はあるものの、肯定的な結果を得た(黒島らとの共同研究)。オマキザルは、他者に食物の提示を要求するとき、要求がすぐに受け入れられないと相手の顔を見ること、またそうした反応は相手の視線や目の開閉といった、自身に向けられた注意の有無によって変化した(服部らとの共同研究)。リスザルとオマキザルには、ある程度の他者の行動の予測が可能なことを示した(Andersonらとの共同研究)。これらから、種々の他者の心的状態の読み取り能力は、少なくとも新世界ザルとヒトの共通祖先まで、その起源が遡る可能性を示した。
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