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蔵書目録から見た中世ドイツ王国における学識法の普及と意義

研究課題

研究課題/領域番号 14652002
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 基礎法学
研究機関北海道大学

研究代表者

田口 正樹  北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20206931)

研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワード学識法 / ローマ法 / 教会法 / 蔵書目録 / ドイツ / 活版印刷術 / 都市参事会 / 貴族 / 中世 / 書庫 / 修道院
研究概要

今年度は、前年度に収集した「ドイツ・スイス中世書庫カタログ」と「オーストリア書庫カタログ」の分析を継続するとともに、これらの史料集の刊行以後に公にされたデータやこれらがカバーしていない地域についても情報を収集し、あわせて考察を試みた。
調査から浮かび上がった中世後期の学識法蔵書の姿は多様であり、一般的な言明は容易でないが、全体として見ると1450年ごろに変化が生じたように思われる。それ以前は、書庫の所在、蔵書の保有者、蔵書の内容などすべてにおいて教会的性格が顕著であり、法学文献の中心は教会法で、かなりの数見られるローマ法文献もそれと結びつく限りで現れる。蔵書目録の中には、金印勅書や助言学派の助言文献を教会法文献として分類する例もある。一方、1450年以後になると、いくつかの都市で都市参事会の書庫が確立しはじめるとともに、俗人の蔵書も知られるようになり、ローマ法文献の数も以前より増えてくる。またこの時期には、活版印刷術の発展ともおそらく関係して、都市や教会が新たに法学文献の入手を積極的に行う例がいくつか見られる。こうした動きは16世紀にも継続されていき、それまで学識法と最も縁遠かった下級貴族のもとでも、学識法文献が見いだされるに至るのである。以上の整理は、上記史料集がカバーする南・中ドイツだけでなく北ドイツでもおおよそ妥当するように思われる。一方、ドイツ以外の地域としてベルギーの状況と比較すると、ベルギーの方が、ローマ法文献がより早くから豊富に所在するように見えるが、この点はなお詳しい分析を要する。また、法学文献の利用状況を示す史料を余り多く見いだせなかったため、文献の所在とは別にその利用を詳しく解明することは課題として残った。

報告書

(2件)
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 田口正樹: "〔翻訳〕ペーター・モーラフ著『ヨーロッパ中世史研究におけるモヌメンタ・ゲルマニアエ・ヒストリカの役割--過去と現在』"歴史学と史料研究(山川出版社)(東京大学史料編纂所【編】). 21-48 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 田口正樹: "(書評)三佐川亮宏「"叙任権闘争"とregnum Teutonicum--"ドイツ"概念の政治的・歴史的地平(上)(下)」"法制史研究. 53号(発表予定). (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 田口正樹: "中世後期ドイツの国王裁判権と裁判籍特権・序説-13世紀後半を中心に-"法制史研究. 52号(発表予定). (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

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