研究課題/領域番号 |
14653020
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
会計学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐藤 倫正 名古屋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (60114948)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 地域通貨 / 資金会計 / 非営利法人会計 / ガイア会計 / エンティティー理論 / ガイア仮説 / 電子マネー / 会計主体論 / 会計組織 |
研究概要 |
本年度は地域通貨の会計に関する萌芽研究の最終年度である。本年度の目標は、(1)地域通貨に関する文献を引き続き読み込みながら、(2)地域通貨に関する内外の視察と調査をおこない、(3)報告書にまとめること、であった。 地域通貨に対する関心は内外で高まってきており、各地域通貨事務局のホームページも充実してきている。大沼安史訳『地域通貨ルネサンス--まち起こしマネー戦略』本の泉社、2001年)などの好著にも出会った。本年度は、海外調査としてレッツ発祥の地であるカナダのコモックスバレーを訪問し事務局のエルニー・ヤコブと会見できた。その経緯は「レッツ誕生の背景」(別紙参照)にまとめてある。 また、これまでの調査をふまえて、地域通貨に会計の立場から考察を加えた成果報告として、「地域通貨の会計に関する予備的考察『経済科学』第51巻第4号(2004年3月)を刊行した。この論文は、世界の代表的地域通貨を概観したうえで、その事務局の会計のあり方を考察した。地域通貨の事務局も複式簿記による会計を行う必要があるが、その場合の複式簿記は、一般の企業に適用される資本主簿記であってはならないのは当然である。 そこで、これまであまり検討されてこなかったR.アンソニーのエンティティー理論をとりあげ、株主から独立した経済主体そのものの持分である主体持分を分離する会計に着目した。そして、この主体持分を地域通貨発行の原資として認識する「ガイア会計」の可能性を示唆した。世界の二大地域通貨であるイサカアワーとレッツ発祥の地を調査できたことは、今後引き続きこの領域を研究していくうえで、重要な立脚点になるであろう。
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