研究分担者 |
杉山 健一 千葉大学, 理学部, 助教授 (90206441)
桜井 貴文 千葉大学, 理学部, 助教授 (60183373)
野澤 宗平 千葉大学, 理学部, 教授 (20092083)
宗政 昭弘 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50219862)
原田 昌晃 山形大学, 理学部, 助教授 (90292408)
大坪 紀之 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (60332566)
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研究概要 |
(1)本年度においては,まず,Calderbank-Rains-Shor-Sloaneの仕事との関連から重要であると思われるGF(4)上の(特に線形でない)符号の構成について考えた。分担者の宗政・原田とは,前年度までの方針に則り48次元のunimodular latticeから得られる長さ24の非線形符号の構成を試みたが,条件の良いlatticeを見つけることができず成果を得るには至らなかった。この研究の過程から副産物として得られた48次元の符号と格子に関する結果は論文として公表した。そこでは,特に,剰余整数環Z/4Z上の新しい(良い)符号を発見している。このような剰余整数環上の符号と,4元体上の符号,あるいは,量子符号,との関連も模索したが,はっきりしなかった。 (2)分担者の杉山とは,代数幾何符号の観点からのアプローチを検討した。その結果,柴木氏(岩手県立宮古短期大学)の協力を得て,特異点を持つ代数曲線から、線形符号を作る方法を得た。この方法は構成が簡単で、さらに復号化もしやすいという利点をもつ。これについては,論文として準備中である。この方法は色々な体に適用できるため,GF(4)の場合について検討を加えたが,現時点では良い符号を得ることは出来なかった。 (3)最後に,本研究の「有限群論的アプローチ」という精神を生かすべく,符号に(大きな)有限群が作用するという条件を積極的に使うような理論を考えてみた。その結果,千吉良直紀氏(室蘭工業大学)の研究協力を得て,GF(2)上の(すなわち古典的)符号についてはある種の上限を与える定理を得て,学会発表を行い,論文として準備している。これを他の体(特にGF(4))について拡張することは,今後の課題であると考える。
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