研究課題/領域番号 |
14654006
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上野 健爾 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40011655)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 径路積分 / 共形場理論 / グラスマン多様体 / モジュライ空間 / 代数曲線 / 数論幾何学 / 正標数 / ゼータ函数 / 有限体 / アーベル的共形場理論 / 共形場ブロック / フェルミオン / ゼータ関数 |
研究概要 |
4次元時空を2次元複素ベクトル空間と同一視し、さらに2次元複素射影空間に埋め込むことによって、正標数の時空を正標数の体上の2次元射影空間と考えることができ、2次元射影空間の定められた2点を通る代数曲線を対象として径路積分を考えることができる。本年は主としてこの観点から研究を行った。特に、従来行ってきた、正標数の共形場理論との関連を探った。共形場理論は正標数の場合は、正標数上のベクトル空間を対応させるが、この有限次元ベクトル空間は無限次元ベクトル空間の部分空間として実現できる。だが、代数曲線の種数を固定すると、無限次元ベクトル空間の中の有限次元部分ドクトル空間Vに制限して、その中の部分空間として考えることができる。こうした観点からは径路積分は、グラスマン多様体上の関数とその拡張された意味での積分と考えることができる。グラスマン多様体は、Vの定義体上定義されていると考え、さらに体の拡大を考慮する必要がある。グラスマン上の関数は数論的に意味のある関数が現れることが期待される。本年度はこの観点から問題を追求したが、グラスマン多様体上の関数の特徴付けを十分に行うことができなった。径路積分との類比と有限体上の曲線のモジュライ空間のもつ特性との関係の解明が不十分であることによる。しかしながら、正標数を使って径路積分に対する一つのアプローチの仕方が解明されたと考える。 この間の研究で、有限体上の共形場理論との比較を通して、種々の観点から径路積分に関して研究を行ってきた。確定的な成果からはほど遠いのが現状ではあるが、数論幾何学的な観点から径路積分を捉えることの可能性はきわめて高いこと、またその際に現れる径路積分は数論的に意味のあるものが登場することはほぼ間違いないことが確認できた点は大きな収穫と考えられる。今後は、今までの研究をもとに、さらにすべての素数にわたる理論の積を考察する観点を付け加えて研究を継続したい。
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