研究課題/領域番号 |
14654035
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
大域解析学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木上 淳 京都大学, 情報学研究科, 教授 (90202035)
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研究分担者 |
宍倉 光広 京都大学, 理学研究科, 教授 (70192606)
熊谷 隆 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (90234509)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 自己相似集合 / ラプラシアン / スペクトル / 力学系 / フラクタル / 拡散過程 / 多変数複素力学系 |
研究概要 |
木上は一般の測度-距離空間上のディリクレ形式から定義される熱核に対して、測度のvolume doubling propertyのもとでexit timeの評価とlocal Nash inequalityが熱核のある種の上からの評価と同値であることを示した。その結果を線分上のブラウン運動を自己相似測度に関して時間変更した拡散過程の熱核に応用し、測度がvolume doublingであるときに熱核の詳細な評価を得た。さらに一般のresistance formに対して、境界が有限個の点である場合のgreen関数の定義をあたえ、そのgreen関数がresistance metricに関して一様Lipschitz連続であることを示した。また、green関数を用いて測度に値を持つLaplacianの定義を与えるとともに自己相似集合上のディリクレ形式の定義域、Laplacianの定義域の関数のresistance metricに関するLipschitz連続性を考察した。 熊谷は、異なった次元を持つフラクタルを張り合わせた空間上の拡散過程の研究を行った。まずベゾフ空間のトレースの理論を援用することで2次形式の正則性を示し、熱核の短時間挙動についての詳しい評価をえた。その評価を用いて短い時間スケールでみたとき粒子が最も通りやすい経路のエネルギー関数の変分問題の解としての特徴付けを得た。さらにベゾフ空間の理論の応用として、(フラクタル集合を自然に含む)d-setと呼ばれるクラスの集合の上に飛躍型対象マルコフ過程と対応するディリクレ形式を構成した。また対応する熱核の詳細な評価を得て、過程の再帰性や粒子の軌跡のハウスドルフ次元に関する結果を得た。 宍倉は自己相似集合上のLaplacianに付随する高次元の複素力学系に関係して、高次元複素力学系の不変集合(ジュリア集合、ファツウ集合を含む)の構造、繰り込みおよび力学系に付随するポテンシャル(グリーン関数)に関する研究を行った。
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