研究概要 |
専用ネットワークに依存することなく、自立して動作する宇宙線検出器システムの開発を行った。読み出し回路系は東京大学宇宙線研究所付属明野観測所との共同開発で、小型ボックス内に、FADC, CPU,記憶装置、電源を内蔵した独立装置を開発、現在試験を行っている。検出器としては1cm厚薄型シンチレータとwavelength-shifterを組み合わせたファイバー集光系から較正される持ち運び可能な1m^2面積小型観測装置を開発した。シンチレーション光を受ける光電子増倍管も複数種を購入、試験して最終スペックを決定済みである。組み上げた検出器は千葉大学内で基礎測定を行った後、明野観測所に移動して、読み出し回路装置と接続、宇宙線測定を開始した。現在環境ガンマ線からのノイズを落とす作業を行っている。最終目標である自立型検出器で較正される最高エネルギー宇宙線観測網実現のための要素検出器として十分使用可能である。ただし現在のところ、宇宙線ミューオンをセルフトリガーで測定しているのみであり、最終的には実際の空気シャワー事象を捉えることが必要と考えている。そのためAGASA(明野広域空気シャワーアレイ)検出器との同時観測及び、別財源からさらに4台の検出器を追加して追試用空気シャワーアレイを構築する予定である。
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