研究課題/領域番号 |
14654054
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
難波 孝夫 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30091721)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 遠赤外顕微鏡分光法 / 遠赤外分光 / 超高真空 / 金属-絶縁体転移 / フェルミ端近傍の電子状態 / 高圧下赤外顕微鏡分光 |
研究概要 |
本研究の目的は全く新しい発想から、遠赤外領域で稼働する「超高真空封止型顕微鏡」を開発する事である。基本となる顕微鏡の初期設計は可視から赤外領域までの広い波長領域をカバーし、観測試料と共に顕微鏡の機能全てを超高真空中チャンバー内に格納して(「超高真空封止型」)外部からこれを操作するという全く新しい機能を備えた仕様で、申請者が独自に発案したものである。本研究により、有効領域を遠赤外まで広げ、固体物理において遠赤外光の光子エネルギーに相当する微小エネルギーの電子励起状態の観測を可能にするための遠赤外領域で初めて顕微鏡分光実験が可能となるものである。 昨年度に超高真空下での稼働状況の確認と顕微鏡の遠赤外領域における空間分解能の測定に成功し、0.1mm^2の良好な空間分解能が達成できることを確認したことに引き続いて、本年度は、具体的な測定試料の一つとしてナロウギャップ半導体として知られているInSbやスピネル化合物CuIr2Se4の遠赤外領域の反射スペクトルを測定した。InSbはエネルギーギャップが極微小のために低温では光学活性な1本のフォノンピークのみが観測されるが、昇温とともにキャリヤーが熱励起され、これに基づくドルーデ反射が生じる。遠赤外領域で初めて離散的なフォノンピークと連続的スペクトル分布を持つドルーデ項の間の干渉効果が観測できた。これは遠赤外領域でこの顕微鏡が所定の性能を発揮することを示すものである。以上の成果を日本物理学会(04.09青森大学)・日本放射光学会(05.01鳥栖市)、又その一部を赤外とミリ波の国際会議IRMMW2004(Karlsrule)で発表した。
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