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フラストレーション系の新奇超伝導体の探索

研究課題

研究課題/領域番号 14654060
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
研究機関京都大学

研究代表者

吉村 一良  京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70191640)

研究分担者 加藤 将樹  京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90271006)
研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
キーワードフラストレーション / パイロクロア酸化物 / 反強磁性相互作用 / 単結晶 / 新物質探索 / 酸化物超伝導 / 強相関 / 低次元化合物
研究概要

強相関電子系の中でパイロクロア型磁性化合物はスピンや電荷のフラストレーションが大きいことで注目されている.パイロクロア化合物が金属伝導を示す場合,その大きな磁気フラストレーションを利用して超伝導になることが予想され,最近Cd_2Re_2O_7というパイロクロア型酸化物が超伝導を示すことが初めて見出された.本研究では,この物質の単結晶を作成に成功し,核磁気共鳴測定を室温まで行ったところ,T^*〜200Kにおいて,2次の構造相転移を示し,その際,帯磁率・電気抵抗率ともにT^*以下において大きく減少を示すことが明らかになった.また,^<111>Cd-NMR測定から,T^*以下においてはスピン励起が減少することから,パイロクロア格子はいわゆる四量体を形成し,系は擬ギャップ(高温超伝導のスピン・ギャップと類似)状態をとることが明らかになった.この現象は,本系の超伝導発現と密接な関係があると考えられる.現在もCd_2Re_2O_7の物性については,様々な実験・研究を行っており,次々と異常な物性が明らかになってきている.例えば,ホール係数,ゼーベック係数など輸送現象でも,特異な振る舞いが見いだされている.このようにパイロクロア型Cd_2Re_2O_7は,格子・スピン・電荷・軌道といった多くの自由度が絡み合った非常に興味深い系であると考えられる.本研究では,Cd_2Re_2O_7系を中心としてパイロクロア系の詳細な物性を研究した一方,三角格子超伝導体Na_xCoO_2・yH_2Oについても詳細な核磁気共鳴実験を行い,この系がトリプレット超伝導体である可能性が高いことを見いだした。今後,パイロクロア系や三角格子系において新規超伝導体の探索を行い,新たな超伝導体発現機構に関して調べていく予定であり成果が大いに期待される.

報告書

(2件)
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] T.Waki: "Physical properties of Ba_<1.09>V_8O_<16> with hollandite structure"Physica B. 329-333. 938-939 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] M.Kato: "Magnetic properties of V-jarosite AV_3(SO_4)_2(OH)_6(A=Na, K) with kagome lattice"Physica B. 329-333. 1042-1043 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] K.Yoshimura: "Physical properties of new superconductor Cd_2Re_2O_7 with pyrochlore-type structure"Physica B. 329-333. 1319-1320 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] H.Sakai: "^<99,101>Ru NMR study of EuSr_2RuCu_2O_8: Coexistence of ferromagnetism and superconductivity"Phys.Rev.B. 67. 184409-1-184409-6 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] K.Ishida: "Unconventional Superconductivity and Nearly Ferromagnetic Spin Fluctuations in Na_xCoO_2・yH_2O"J.Phys.Soc.Jpn.. 72. 3041-3044 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] T.Waki: "Metal-Insulator Transition in Bi_xV_8O_<16>: ^<51>V NMR Study"J.Phys.Soc.Jpn.. 73. 275-279 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] H.Ohno: "NMR study of Na_<3-x>Ru_4O_9"J.Phys.Chem.Solids. 63. 1017-1019 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] H.Sakai: "NMR Study of Metallic Pyrochlore Ruthenium Oxides, Bi_2Ru_2O_7 and Pb_2Ru_2O_<7-δ>"J.Phys.Chem.Solids. 63. 1039-1041 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] H.Sakurai: "New Type of Frustrated Spin Chains in KMgxCu_<5-x> V_3O_<13> (x=0〜1)"J.Phys.Chem.Solids. 63. 1123-1127 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] D.Huo: "Thermoelectric power of the superconducting pyrochlore Cd_2Re_2O_7"J.Phys. : Condens.Mat.. 14. L257-L260 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] H.Sakai: "Tl-NMR Study of Pyrochlore Oxide Tl_2Ru_2O_7 : Observation of Spin-Singlet Formation"J.Phys.Soc.Jpn.. 71. 422-424 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] H.Sakurai: "Antiferromagnetic order in 2D-spin system Cu_3B_2O_6"Phys.Rev.B. 66. 024428-1-024428-6 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2020-05-15  

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