研究課題/領域番号 |
14654061
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
森 茂生 大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (20251613)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 遷移金属酸化物 / 透過型電子顕微鏡 / マンガン酸化物 / 強相関電子系物質 / 電荷秩序 / ダイナミックス / 置換効果 / 電子相分離 / 電荷秩序構造 / 巨大磁気抵抗効果 / 金属-絶縁体転移 / 電子回折 / ローレンツ顕微鏡 |
研究概要 |
強相関電子系物質として特徴づけられる遷移金属酸化物は、d電子の内部自由度である電荷/スピン/軌道間の強い相互作用に加えて、ヤーン・テーラ効果と呼ばれる電子格子相互作用が働く。このような相互作用を介して、遷移金属酸化物は、巨大磁気抵抗効果、電荷/軌道秩序や金属-絶縁体転移などの特異な量子物性を示す。本研究では、遷移金属酸化物が示す特異な量子物性の起因を明らかにするために、メゾスコピックサイズで特徴づけられる電荷/軌道秩序構造や磁気的秩序構造の秩序形成過程およびそれに伴う揺らぎ構造について明らかにすることを目的とした。また、空間的・時間的揺らぎ構造に関する知見を得るために、透過型電子顕微鏡に搭載可能な時間分解型電子カウンターの試作を行った。 ペロブスカイト型構造を持つマンガン酸化物にける電荷/軌道秩序構造の安定性および秩序構造の形成過程を明らかにするために、マンガンイオンの一部を他の磁性イオン(Crイオンなど)と置換することにより、電荷/軌道秩序構造に与える影響について調べた。その結果、Mnサイトを数パーセントのCrイオン(磁性イオン)で置換することにより、安定に存在していた電荷/軌道秩序構造は崩壊し、新たに強磁性金属相が出現するとともに、約120Kで絶縁体-金属転移を起こすことが見出された。また、非磁性イオンであるScイオンで置換した場合、電荷・軌道秩序構造の崩壊過程は観測されず、電荷/軌道秩序構造は安定に存在することがわかった。このことから、マンガン酸化物の金属-絶縁体転移は、磁性イオンで置換することにより、その出現を制御できることがわかった。また、Crイオンで置換することにより誘発される強磁性金属相は、Cr置換量(x)が、0.01<x<0.05の範囲においては、電荷/軌道秩序構造とメゾスコピックスケールで共存し、一種の電子相分離状態にあることがわかった。さらに、このような電子相分離状態において磁場を印加することにより,大きな磁気抵抗効果が発現することが明らかとなった。
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