研究課題/領域番号 |
14654073
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理学一般
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
金田 行雄 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10107691)
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研究分担者 |
後藤 俊幸 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (70162154)
吉田 恭 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (30335070)
石原 卓 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (10262495)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 予測可能性 / 直接数値計算 / データ同化 / 一様等方性乱流 / 同化する自由度数 / 非線形相互作用 / 誤差の抑制 / 2次元乱流 / ポアズイユ乱流 / 渦の非線形相互作用 |
研究概要 |
巨大自由度が強く非線形相互作用する系である乱流においては、初期条件、境界条件、外力などの制御できない小さな誤差が時間とともに増大するため、長時間発展の予測は困難である、と考えられてきた。ところが、近年の低レイノルズ数乱流の数値実験において、大スケールの正確な情報が時々刻々与えれれば、小スケールの誤差がむしろ減少し、予測可能な時間が増えることが示唆された。 そこで、本研究では、この数値実験を推し進め、前年(平成14年)度は、大規模直接数値シミュレーション(DNS)により、慣性小領域を持つ高レイノルズ数3次元乱流場の大スケールのデータ同化の実験を行い、小スケールの誤差を抑制するために必要なデータ同化量のレイノルズ数に依存しない定量的評価を得た。 本年(平成15年)度は、前年度の数値実験の解析により、データ同化を行う最小スケールと誤差の減衰率との間の関係が、エネルギー散逸率と動粘性係数で決まる特徴的空間スケールと時間スケールによる規格化で、レイノルズ数に依存しなくなることを見出した。このことは、誤差の抑制機構がエネルギー散逸スケールの量で決まっていることを意味している。 また、地球規模の流体運動は、鉛直方向のスケールが水平方向のスケールに比べて十分に小さいため、2次元流体の運動で近似される。本研究では、本年度2次元乱流においてもデータ同化の実験を行った。その結果、3次元乱流とは異なり、2次元乱流においては、(エンストロフィーの)散逸スケールではなくもっと大きいスケールのデータ同化だけで誤差が抑制されることが明らかになった。本結果は、地球規模流体運動の長時間予測においての、大スケールデータ同化の有効性を示唆するものである。
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