研究課題/領域番号 |
14654087
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
層位・古生物学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
棚部 一成 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20108640)
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研究分担者 |
佐々木 猛智 東京大学, 総合研究博物館, 助手 (70313195)
砂村 倫成 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90360867)
佐藤 慎一 東北大学, 総合学術博物館, 助手 (70332525)
SCHONE Bernd Reinhald 東京大学, 大学院・理学系研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 貝殻成長線 / 安定同位体 / 軟体動物 / 生活史形質 / 高精度環境解析 |
研究概要 |
1.現生貝類の微細成長縞の高時間精度クロノロジー 軟体動物の貝殻内部に認められる成長縞は、個体発生を通じての生物の成長やそれを支配する環境要因を記録したアーカイブスとみなすことができる。瀬戸内海の干潟で採集した二枚貝カガミガイについて、生体染色を行った後に回収して各個体の貝殻微細成長縞を解析した結果、細い2本の成長線と幅広い2本の成長縞からなるセットは1朔望日(24時間50分)毎に形成されることがわかった。そこで、同じ場所で採集した各個体の微細成長縞の付加パターンに時間目盛りを入れるとともに、環境データとの比較を試みた。その結果、微細成長縞は、冬の低水温期には形成されず、その成長は水温が上昇する4月以降に開始することや、その成長には水温や塩濃度が大きく関与することがわかった。本研究の結果、カガミガイの現生・化石貝殻を用いて生息環境の変動に伴う成長の応答様式を日レベルで明らかにできる見通しが得られた。この成果は、国際誌へ投稿準備中である。 2.安定同位体を用いた白亜紀後期の海洋構造と海生生物の生態に関する研究 大気中の二酸化炭素濃度が高く全球的に温暖な気候が続いた中生代白亜紀は、将来の地球環境変動を予測するための基礎的情報を得るのに適した時代である。初生的な鉱物組成を残した保存のよい遊泳性・底生生物化石の酸素同位体比の分析結果から、白亜紀中期〜後期の北太平洋高緯度域の陸棚低層水温は11℃〜20℃の範囲にあることがわかり、その変動は貝類の成長縞周期内で変化することから、当時の季節変化に起因する可能性が示唆された(Zakharov et al. 2005)。 そのほか論文リストに示すような研究成果が得られた。
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