研究課題
萌芽研究
研究計画近年フラーレン類を包接するレセプターの開発が盛んに研究されている。我々はカリックスアレーン類を基盤としたフラーレンレセプターの開発を行ってきた。これらの研究では、あらかじめデザインしたレセプター分子を逐次合成し、包接実験を行うため非常に多くの時間を必要とする。そこで、迅速にフラーレンを包接するレセプターの探索に、コンビナトリアル化学を応用することを考えた。本研究は金属配位による自己集合を基盤としたコンビナトリアル化学を利用することにより、非常に短時間でフラーレン類を包接するレセプターを探索する方法の確立を提案した。成果の概要我々はこれまでの研究でビピリジンをもつカリックス[5]アレーン二分子が銀イオンの添加により自己集合超分子二量体を形成し、フラーレンを効率良く包接することを報告している。この研究成果を基に本申請ではフェナントロリンと銀イオンの配位結合による自己集合を基盤としたレセプターライブラリーの新規構築法を提案し,種々の置換記を導入したフェナントロリンを合成した。これらの配位しは銀イオンの存在下,容易に自己集合し動的コンビナトリアルライブラリーを与えた。さて,官能基化されたフェナントロリンの銀イオンによる自己集合挙動について検討したところ,動的な配位平衡より,複数のライブラリーメンバーが存在する中にゲスト分子を添加するとゲストの鋳型効果による特定の化学種の増幅が確認された。また,得られた数十種類の化学種を含むライブラー混合物から質量スペクトルを利用して特定の機能を持つ化学種を検出する方法の開発に成功した。
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