研究課題/領域番号 |
14654115
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
成田 吉徳 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (00108979)
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研究分担者 |
島崎 優一 九州大学, 先導物質化学研究所, 助手 (80335992)
谷 文都 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教授 (80281195)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | プロスタグランジン / 共役ポリエン / 酸素付加 / 化学モデル / フェノキシラジカル / 水素引き抜き反応 / ヒドロペルオキシド / 1,3-ジエン / フェノキシルラジカル / 鉄ポリフィリン / 分子内電子移動 / 双冠ポリフィリン / 酸素付加反応 / 立体選択的 |
研究概要 |
プロスタグランジン(PG)合成酵素は、酵素中に生成したチロシルラジカルがポリ(1,4-ジエン)であるアラキドン酸の特定位置の水素を引き抜き、そのラジカルの分子内での環化後に酸素付加を起こしてヒドロペルオキシド体PGG_2を生成している。この反応は不安定なフェノキシラジカルの合成化学的な利用の点だけでなく、直鎖状ポリエンから一段階で立体選択的に生理活性物質を与える高効率的反応としても興味が持たれる。そこで、本研究者らがこれまで研究に用いてきた光学活性ビナフトールを化学修飾した鉄'双環(TC)ポルフィリン'において、架橋ビナフトールにより形成された空隙内に存在するフェノール性水酸基を利用して、PG合成酵素のモデル反応を人工的に再現することを企図した。過酸によりこの鉄ポルフィリンを酸化することにより、初段で生成すると考えられる鉄(IV)ポルフィリンカチオンラジカルは迅速に分子内電子移動を起こした結果生成したフェノキシラジカル-鉄(IV)ポルフィリンを共鳴ラマン、ESR等により同定することに成功した。このラジカル中間体はビナフチル基の立体保護の効果により、低温で比較的安定であり、この溶液に低温、酸素雰囲気下で基質としてcis, cis-1,4-ジエンを加えると立体選択的にtrans, cis-2,4-ジエニルヒドロペルオキシドのみを与えた。これは昇温により対応するアルコールへと変換できた。本反応は鉄ポルフィリンを触媒的に用いて反応を行うこともできることから、世界で初めてのPG合成酵素モデルとして論文発表を行った。
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