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ドナーアクセプター共役多核錯体における原子価互変異性の外場制御

研究課題

研究課題/領域番号 14654121
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 無機化学
研究機関東京大学

研究代表者

西原 寛  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70156090)

研究分担者 村田 昌樹  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (70345263)
研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
キーワードフェロセン / アントラキノン / ドナー-アクセプター / π共役 / プロトネーション / 分子内電子移動 / 高分子錯体
研究概要

光やプロトンのような外からの刺激に応答して多段階に物性を変化させることのできるクロミック金属錯体分子を集積化することでナノ機能性材料への展開が可能である。これまでドナー(D)-アクセプター(A)系であるフェロセン-キノン共役接合錯体を合成し、プロトン付加によって分子内電子移動が制御可能であることを見出し、分子内電子移動により生じる構造変換やそれに伴う酸化還元電位の変化、原子価互変異性など系の多様な構造、物性変化について明らかにしてきた。本年度は、ドナーを2つ有するD-D-A接合錯体とD-A-D接合錯体を新たに合成し、集積化が及ぼす物性変化について検討を行った。
1'-エチニルビフェロセンと1-ブロモアントラキノンのクロスカップリング反応によりD-D-A共役錯体、1-BFcAqを新規合成した。1-BFcAqのベンゾニトリル溶液にトリフルオロメタンスルホン酸を段階的に添加した際の紫外可視近赤外吸収分光測定を行った。吸収スペクトルより、510nmのMLCT吸収帯の吸収強度の増加と1030nmのIVCT吸収帯出現が観測され、D-A=1:1型分子と類似した結果を得た。このことは、1-BFcAqのプロトン付加体では、分子内電子移動によってA部位と隣接するフェロセンのCp環がフルベン骨格となっていることを示している。電気化学測定においては、酸添加前はビフェロセンの酸化は混合原子価状態の生成を伴う2段階1電子反応として観測された。この測定系にプロトンの段階的添加を行ったところ、2段目の酸化波がフルベン骨格への構造変換を示す結果を得た。このことは、1-BFcAqを酸化すると末端のフェロセンが先に酸化を受けることを示しており、プロトン応答と酸化還元応答に対し、異なったD部位が応答するという興味深い知見を得た。
また、エチニルフェロセンと1,4-ジブロモアントラキノンのクロスカップリング反応により合成したD-A-D共役錯体、1,4-Fc_2Aqでは、種々の溶媒(CH_2Cl_2,CHCl_3,THF,ο-C_6H_4Cl_2)から10×10Åのナノ孔を持つ単結晶が得られ、この単結晶では、π-πスタッキングによって、D部位とA部位が交互規則配列構造を持ったカラム構造を持つ配位高分子となっていることを明らかにした。

報告書

(2件)
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] H.Nishihara: "Multi-mode Molecular Switching Properties and Functions of Azo-conjugated Metal Complexes"Bull.Chem.Soc.Jpn.. In press. (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] M.Murata, H.Nishihara: "Macromolecules Containing Metal and Metal-Like Elements, Vol.2 (Proton-coupled Intramolecular Electron Transfer in Ferrocene-quinone Conjugated Oligomers and Polymers)"Wiley InterScience. 24(135-159) (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 西原 寛: "金属元素が拓く21世紀の新しい化学の世界 (錯体から分子デバイスへ)"クバプロ. 9(190-198) (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 西原 寛: "集積型金属錯体の科学 (光やプロトンに応答するレドックス錯体)"化学同人. 7(51-57) (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] M.Kurihara, H.Nishihara: "Azo-and quinone-conjugated redox complexes -photo-and proton-coupled intramolecular reactions based on d-π interaction"Coord.Chem.Rev.. 226. 125-135 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] H.Nishihara, M.Nihei, A.Hirooka, M.Kurihara: "Synthesis of Ferrocene-Quinone Conjugated Oligomers and Polymers and Their Protonation-Induced Intramolecular Electron-Transfer Reaction"Polym.Mater.Sci.Eng.. 86-87 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

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