研究課題/領域番号 |
14654135
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 (2003) 愛媛大学 (2002) |
研究代表者 |
小川 琢治 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (80169185)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | クーロンブロッケード / ルテニウム錯体 / 分子電子素子 / 単電子トランジスタ / クーロンブロッケード現象 |
研究概要 |
通常の単電子トランジスターは、シリコンや金属微粒子などを電荷プールとして用いている。この場合の静電反発エネルギーは粒子の大きさにより決まるため、粒子径が揃わないと特性がばらつくことになる。それに対して、有機分子は分子軌道に応じた独自のレドックス電位を持っており、必ず一定の値になる。この特性を活かした素子を作成しようとした。 ルテニウム錯体を電荷プールとする有機分子を合成し、20〜100nmのギャップ電極に入れ、その電気特性を計測することで、有機分子を電荷プールとする単電子トランジスターの可能性について研究を行った。 分子の導入の仕方として、次の3つの方法を用いた。 (1)分子の希薄溶液を電極にキャストした。 この様にして作成したデバイスを、10^<-4>Paの真空中で室温においてI-V計測を行った。クーロンブロッケードと解釈できるI-Vの非連続性は見られたが、1度目のスキャンと2度目のスキャンの結果が異なり、分子が電圧を掛けることにより動いてしまい、再現性が乏しいことが判った。 (2)分子をポリ塩化ビニルの中に溶解し、これを電極にキャストした。 かなり再現性良くdI/dV-Vのピークが見られた。しかし、やはり電圧スキャンを繰り返すに従い、次第にピークの場所が移動したり、電流がブロックされる領域が次第に変わっていったりして、十分な安定性には欠けていた。 (3)ルテニウム錯体の両端にターチオフェン部位を導入し、これをナノ電極に電気化学的手法でポリマー化して直接結合した。 この素子の再現性は非常に高く、温度依存性も高い再現性で求めることが出来た。得られたI-V特性は、フランケル-プール機構で解析を行った。しかし、2〜3次元クーロンブロッケードと解釈出来る可能性も高く、現在そのシミュレーション法を開発中である。
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