研究課題/領域番号 |
14654139
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質変換
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鈴木 孝紀 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70202132)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 酸化還元系 / 応答性分子 / 分子不斉 / 色素 / 円二色性 / 分子素子 / 表面修飾 / 電気化学 / トリチル / ジカチオン |
研究概要 |
本研究課題の目的は、1)不斉要素を有する有機酸化還元系の構築とその応答機能を開発し、2)それらを表面へと固定できる方法論を応用して表面物性としての機能を引き出すことにある。本年度はそれぞれ、1)テトラヒドロフェナントラアゼピン骨格を有する系の開発、2)表面修飾に利用できるアンカー置換基を有する酸化還元系の開発について検討を行った。 a)アゼピン骨格を有するキラルな酸化還元系:不斉要素を有する有機酸化還元系は、電気化学的入力に対して電子スペクトル及び円二色性(CD)スペクトルの双方の出力を与える多重出力型分子応答系となる。大きなCD出力を得るためには、エキシトンカップリングの利用できる軸不斉またはらせん状化合物が望ましい。表題骨格のヘリシティは容易に反転するが、N上にキラルなベンジルアミノ基を導入することで一方のジアステレオマーを優先させることに成功した。これにより、煩雑な光学分割を行わずに感度良くエレクトロキロオプティカル出力が得られる系の構築が可能となった。 b)末端アセチレンおよびジスルフィド官能基をする酸化還元系:表面での自己組織化膜の形成を行うためには、表面修飾に利用できるアンカー置換基が導入された機能性酸化還元系を合成する必要がある。これまで動的酸化還元活性が確認されたジスピロジヒドロフェナントレン骨格を有する3種の酸化還元対の、a)ベイ領域へのエチニル基に導入、b)スピロ環上へのプロパルギル基の導入、c)ベイ領域へのジスルフィド官能基の導入された化合物の合成に成功した。前2者は水素終端シリコン表面への固定に、後者は金表面への固定に利用できる官能基を有するものであり、現在膜の調製の検討を行っている。
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