• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

自己増殖する人工二分子膜の創出による「生命の起源」問題へのアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 14654141
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 物質変換
研究機関東京大学

研究代表者

村田 滋  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (40192447)

研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
キーワード酸化的縮合反応 / チオールエステル / ミセル / 脂質二分子膜 / チアゾリウム塩 / ハメットプロット / 置換基効果
研究概要

本研究の目的である、生命の究極的なモデルとなるような自己増殖する機能を有する脂質二分子膜系を構築するために、昨年度の有機溶媒中における研究により探索された縮合反応を、水中に構築された疎水性環境を反応場として進行させることを試みた。すなわち、ベンズアルデヒド誘導体とオクタンチオールから、触媒として長鎖アルキル基が置換したチアゾリウム塩を用い、アゾベンゼンを酸化剤とする酸化的縮合反応によって相当するチオールエステルが生成する反応について、この反応を水中で臭化セチルトリメチルアンモニウムが形成するミセル、あるいは臭化ジメチルジパルミチルアンモニウムが形成する二分子膜中で行わせた。この結果、反応基質、および触媒は水中に作られた疎水性環境に取り込まれて均一系を形成し、目的とする酸化的縮合反応が比較的効率よく進行することが判明した。副生成物として、アゾベンゼン還元体との縮合反応生成物が得られた。詳細な条件検討により、この反応の速度や生成物分布は、水溶液のpHや、ミセルあるいはベシクル構成分子の構造および濃度に著しく依存することが明らかになった。反応速度のpH依存性は、触媒となるチアゾリウム塩の解離平衡のpH依存性によって説明される。この反応は、生体細胞内で営まれているチアミンピロリン酸を触媒とするピルビン酸からアセチル-CoAが生成する反応と極めて類似しており、生体内の縮合反応のモデルとなる反応を生体環境に近い水中で行わせることができた意義は大きい。この反応を、生成するチオールエステルが両親媒性となる系に発展させることにより、水中でそれ自身が形成する二分子膜を反応場として酸化的縮合反応が進行する反応系、すなわち本研究が目的とする自己増殖機能を有する二分子膜系ができるものと期待される。

報告書

(2件)
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Asako Yoshida: "Electron Transport across Vesicle Bilayers Sensitized by Pyrenes"Chemistry Letters. 32巻1号. 68-69 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] Tadashi Mizushima: "Mechanistic Studies of Direct and Sensitized Photolysis of Methyl (4-Nitrophenyl) diazoacetate in the Presence of an Electron-donating Amine"Journal of Chemical Society, Perkin Transaction 2. No.7. 1274-1282 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Shingo Ikeda: "Photolysis of N-Phenylglycines Sensitized by Polycyclic Aromatic Hydrocarbones"Journal of Photochemistry and Photobiology A. Vol.149. 121-130 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Hiroshi Inui: "Mechanism of Photochemical Rearrangement of 2H-Azirines in Low-temperature Matrices"Chemical Physics Letters. Vol.359. 267-272 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

URL: 

公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi