研究課題/領域番号 |
14654151
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
遺伝
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
草野 好司 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助教授 (70336098)
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研究分担者 |
尾川 博昭 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 教授 (50108685)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | RECQファミリー蛋白 / 2本鎖DNA切断修復 / 減数分裂期組換え / 発生分化制御 / ヘリカーゼ / DNAミスマッチ修復経路 / 発生 |
研究概要 |
我々はRECQファミリー蛋白が染色体をどのように安定維持しているかを知るために、大腸菌RecQと出芽酵母、ショウジョウバエ(Dm)のRECQ相同蛋白の遺伝学的・生化学的解析を行った。 (1)大腸菌RecQがMutSLHによるDNAミスマッチ修復経路で機能することを発見した。 (2)出芽酵母のSGS1(RecQ相同蛋白)が2本鎖DNA切断修復に関与していることを証明した。 (3)ショウジョウバエdmblm/mus309変異は、(a)減数分裂組換え頻度の低下、(b)雌不妊性のmeiW68変異導入による回復、(c)2本鎖切断点において、交叉あり遺伝子変換と近傍欠失の上昇が起こることを発見した。これらの研究成果よりBLM蛋白が2本鎖切断修復と減数分裂期組換えに関与することが分かった。dmrecQ4^<P104>変異は、(a)2齢幼虫期に致死を引き起こした。(b)この変異株内でdmrecQ4導入遺伝子P{hs70p-dmrecQ4}を幼虫期に発現させると、発生は正常に進み成虫に達した。(c)弱く発現させると25%の個体のみが成虫に達したが、眼の退縮と肢の彎曲といった発生異常が認められた。、(d)dmrecQ4^<P104>/P{hs70p-dmrecQ4}株の雌は、完全不妊性を示した。dmrecQ5^<del>変異は、dmrecQ4^<P104>変異株のような致死性を示さず、dmblm/mus309変異のように、MMSに対する著しい感受性のみを示した(4)DNAヘリカーゼ活性の測定:ショウジョウバエDmRecQ4蛋白とDmKu70蛋白をMBP融合蛋白として、アミロースカラム、DNAセルロースカラムの2段階を通して、精製した。FRET(蛍光共鳴エネルギー転移)の原理を利用して、donor/receptorであるFITC/Cy3を基質DNAの末端に標識させ、励起光を当てると、2本鎖状態ではdonorの蛍光はrqceptorによって吸収されるが、ヘリカーゼによってreceptor-相補鎖が巻き戻されると、donorは蛍光を発する系を作製した。実際に大腸菌UvrDヘリカーゼがFITC-単鎖からCy3-相補鎖を巻き戻すことを確認した。この系を用いて、DmrecQ4蛋白が平滑末端のDNA基質を巻き戻すことが分かった。
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