研究課題/領域番号 |
14654173
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物生理・代謝
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
下澤 楯夫 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (10091464)
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研究分担者 |
西野 浩史 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (80332477)
青沼 仁志 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (20333643)
水波 誠 東北大学, 大学院・生命科学科, 助教授 (30174030)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 熱雑音 / 機械感覚器 / 感覚情報 / 機械感覚細胞 / 昆虫 / 光学計測 / コオロギ |
研究概要 |
神経細胞は熱雑音感受性をもっており、そのことが神経系に共通する基本構造である並列伝送回路の起源であることを、1.神経細胞は情報受容に当たってエネルギーを散逸する抵抗体として動作し、揺動散逸定理に従ったブラウン運動を観察できること、2.異なる細胞のブラウン運動は互いに無相関であること、3.感覚細胞がブラウン運動を用いて確率サンプリングした信号は介在神経でシナプス加算によって再構成されること、を実証するため研究を進めてきた。 コオロギ気流感覚毛の機械特性の計測から感覚閾値で感覚細胞が受け取るエネルギーが常温における分子1個の熱揺動エネルギーk_BTに近いこと、閾値付近の刺激に対する応答発火揺らぎの解析から感覚細胞は内部の熱雑音源をパルス符号化に用いるStochastic Samplingで中枢へ信号を送っていること、感覚細胞の情報伝送容量の測定から、信号対雑音比は0.1程度と非常に低いこと、このため情報伝送素子としての細胞1個の性能は400ビット/秒程度に制限されている。 これまでの研究で、気流感覚毛先端のブラウン運動が10nm程度であることを予想して、光学顕微鏡を改造し感覚毛のレーザー照明強拡大像(900倍)を4分割受光素子上に結ばせたブラウン運動計測装置(分解能3nmでの計測が可能)を実用化(平成12年度基盤研究(B)で製作)し、コオロギ気流感覚毛のブラウン運動を光学的に測定した。現在引き続き、2本の気流感覚毛のブラウン運動を同時計測し、近傍のものでも感覚細胞は互いに無相関な熱雑音に曝されていることを実証すべく解析を続けている。
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