研究課題/領域番号 |
14655005
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
干川 圭吾 信州大学, 教育学部, 教授 (10231573)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2002年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | シリコン結晶基板 / チョコラルスキー法 / 高強度・耐熱応力 / 高濃度ボロン添加 / 高濃度ゲルマニウム添加 / 同時添加 / スリップ・そり / エピタキシャル用下地基板 |
研究概要 |
本研究では、LSIプロセスで高強度・耐熱応力シリコン結晶基板として期待される高濃度で不純物を添加、特にゲルマニウムを添加した結晶中の転位挙動やそり、変形について検討した。代表的な結果を列挙する。 1.高濃度ゲルマニウム添加シリコン種子結晶中の熱ショック転位挙動 高濃度ゲルマニウム添加種子結晶中の熱ショック転位挙動を検討した結果、7×7mm^2断面の種子結晶を用いた場合にゲルマニウム濃度9×10^<19>atoms/cm^3以上の種子を用いることによって転位を抑倒できることがわかった。ボロンも同じ不純物硬化効果を有するが、ゲルマニウムはボロンと比較して約2桁以上高い濃度で抑制効果を有し、ゲルマニウムをボロンと同時に添加することにより効果が増すことを確認した。 2.高濃度ゲルマニウム添加シリコン結晶中のスリップ挙動 10^<20>atoms/cm^3オーダーで結晶中のゲルマニウム濃度が高くなるにつれて、1の結果とは逆に結晶成長中にスリップが発生することがわかった。基板の熱処理によるスリップ挙動評価においては、ゲルマニウム濃度10^<19>〜10^<19>atoms/cm^3の間で最もスリップが抑制されたことから、転位抑制に最適なゲルマニウム濃度が存在することが推測された。 3.高濃度ボロン、ゲルマニウム同時添加基板中のスリップ、そりの挙動 まず、格子定数を調整した上記基板を下地基板として低濃度ボロン添加の数十μmの層をエピタキシャル成長しミスフィット転位挙動を検討したところ、転位が発生していないことを確認した。次に、同基板の高い熱応力によるスリップ、そりの挙動を検討した結果、無添加はもちろん高濃度でボロンおよびゲルマニウムを単独に添加した基板に比べて、顕著に耐スリップ、そりの特性を有することがわかった。 以上の結果から、ボロンとゲルマニウムを高濃度で同時に添加したシリコン基板が最も高強度で耐熱応力性に優れていると結論し、エピタキシャル用下地基板としての利用方法を提案した。
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