研究課題/領域番号 |
14655009
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
中山 弘 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30164370)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | Si : Mn / 強磁性 / アモルファス磁性体 / リエントラント転移 / 磁気状態図 / スピングラス / アモルファス |
研究概要 |
本研究はSiをベースのスピントロニクス材料の創成をめざした研究である。磁性不純物間の相互作用を顕在化させるためには%オーダーの高濃度に磁性不純物をSiなどの半導体にドープすることが必要となってくる。本研究では固溶限を大幅に超えたドーピングのために非平衡度の高い成長方法である分子線エピタキシー法を用いてSi : Mn系試料の薄膜作製を試みた。 Siは電子ビーム(EB)ガンによる電子衝撃加熱によって、Mn, Gaはクヌ-センセルにより供給した。基板にはquartzを用いた。作製した試料は、X線回折による構造解析、X線光電子分光法による組成分析を行った。また、超伝導量子干渉計(SQUID)により磁気的特性、そして光磁気・磁気輸送物性測定装置により電気的特性と光磁気特性の評価を行った。 得られた結果を要約すると、(1)quartz基板上に成長した試料は、X線回折測定からアモルファス構造をしている。(2)X線光電子分光法による測定からMn濃度を測定し、固溶限を大幅に超える試料の作製ができていることが確かめられた。(3)SQUIDによる磁化の温度依存性(M-T)からは高Mn濃度の試料でスピングラス相から強磁性相へのリエントラント転移現象が起きていることが確認された。(4)磁気輸送特性(磁気抵抗、ホール効果測定)の測定結果より、Mn濃度の低い試料では温度が下がると電気抵抗が上昇する絶縁体(半導体を含む)的な伝導を示す、Mn濃度の高い試料では温度が下がると電気抵抗が減少する金属的な伝導を示しており、電気伝導において金属・絶縁体転移が起きている。(5)金属的なSi : Mn試料では負の磁気抵抗を示しており、強磁性相が実現していることを示唆している。(6)磁気抵抗の温度依存性から、その強磁性のキュリー温度は150K付近にあることが明らかになった。
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