研究課題/領域番号 |
14655014
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
表面界面物性
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
武笠 幸一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00001280)
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研究分担者 |
松本 和彦 産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 総括研究員
加茂 直樹 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (10001976)
末岡 和久 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60250479)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / スピン伝導 / スピンプローブ / 非接触原子間力顕微鏡 / 電界放射顕微鏡 / カーボンナノチュープ |
研究概要 |
メタンガスを主成分とした原料ガスとBEリソなどを利用してパターンニングした触媒薄膜を用いて、単層カーボンナノチューブのCVDによる成長条件の最適化をした。また、タングステン探針、ニッケル針等の先端近傍に同様の条件を用いてカーボンナノチューブの成長を試みた。さらに、磁性グラニュラ薄膜がカーボンナノチューブを成長する際の触媒となりうることを示すことに成功した。これにより磁性体薄膜と接点を持つカーボンナノチューブプローブが作製できる可能性が示唆された。 シリコン探針上に成長したカーボンナノチューブを用いて、非接触原子間力顕微鏡(NC-AFM)測定を行い、Si(111)7×7表面観察から、単層カーボンナノチューブの探針ではコーナーホールは分解できるが、アドアトムを分解することが難しいことが分かった。また接触電位差測定では低い仕事関数の探針であることが示され、先端部分が仕事関数の低いカーボンナノチューブの特性を反映していることを示した。 先端部分のからの電界放射電子のスピン偏極度測定を行うために、低加速電圧タイプのモット分析器を用いた電界放射電子のスピン計測装置の組み立てを行った。また、探針先端に取り付けたカーボンナノチューブから低電圧での電界放射を確認し、カーボンナノチューブ先端からの電界放射電子のスピン偏極度測定系の構築を完了した。 さらに、スピン偏極走査型トンネル顕微鏡のスピンプローブとしての性能を評価するための試料としてのマグネタイト薄膜の作製条件の確立および表面スピン状態の評価を行った。清浄表面を持つマグネタイト薄膜の作製に成功し、強磁性体を用いたスピンプローブでは、スピン状態を反映した原子分解能像が得られた。これらより、先端電子状態が安定したカーボンナノチューブを用いたスピンプローブの実現可能性を実験的に検証することができたといえる。
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