研究概要 |
研究実施の概要 ナノメータオーダの超微細一次cBN結晶粒子からなるナノ構造cBN多結晶体を無触媒・直接転換法により創製し,得られたcBN多結晶体の物性を測定すると共に,超精密鏡面切削用工具への適用を試みた. 本年度は,昨年度までの結果を踏まえ,次のような結果を得ることができた. 1 ナノ構造cBNによる超精密切削用工具の作製と切れ刃の成形を試みた結果,微細なcBN結晶構造を生かして,鋭利で平滑な切れ刃を成形することができた.すなわち,すくい面及び逃げ面の表面精度が向上し,刃先丸み半径も従来の工具に比べ小さく,シャープで平滑な切れ刃稜を作ることができた. 2,1.で作製した工県による炭素鋼S45Cと球状黒鉛鋳鉄FCD600の超精密切削実験を試み,従来のcBN工具を用いた場合に比べて,高速域で切削抵抗が軽減され,工作物表面粗さは小さく,良好な仕上が面が得られることがわかった. 以上のように,本研究ではナノ構造cBN多結晶体を創製し,物性・機械的性質を明らかにすると共に,超精密切削用工具を作製した.このナノ構造cBN多結晶体工具を精密研磨することにより従来cBN工具に比べて刃先丸み半径が小さく,切れ刃稜粗さ約100nmRz以下の切れ刃を得ることができ,加工精度の向上をもたらすことができた.
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