研究概要 |
本研究はミリ・マイクロマシン等のための微小構造要素のナノ粒子エアロゾル法による高速生成に関するものであり.数10nmの超微粒子をHeガス流を用いて基板に堆積させる技術でその運動エネルギ置換により常温で固体化か可能で類似の半導体プロセスよりも堆積速度が大きい.本研究で,その基礎的検討を行った まず,小型アーク炉をベースにしてHeあるいはAr中でのアーク放電により超微粒子を生成する装置を製作した.続いて,この生成超微粒子を導いてターゲットに堆積させるターゲット容器とそのCCD観察システムを製作した.そのターゲットの位置はベローズを通して外部からXYZの3軸位置制御され,その軌道をコンピュータによりプログラムでき,超微粒子を選択的に堆積できる.以上の部位から構成される超微粒子堆積造形システムを試作した. 上記システムを用いてまず,ニッケル超微粒子の堆積実験を行い,1次元直線走査堆積実験における時間経過に伴う堆積形態の変化を明らかにした.さらに,ターゲット基板に温度制御システムを追加して,それによる堆積物の圧縮強度の向上に関する検討を行い,わずかな基板温度上昇により強度向上が現われることを確認した.また,基板温度上昇より堆積量が増加することを確認した.さらに,銅,チタンの超微粒子の堆積実験を行いそれら堆積速度分布を計測した.とくに,ニッケルにおいては銅とチタンと比較してその分布形態が異なり分布幅が大きく高アスペクト比を得にくいことが確認できた.ターゲットを3次元位置制御して,円管形状部品の試作を行った. さらに,超微粒子の搬送と堆積の現象を明確にするために,搬送ガス流れの圧縮性流体解析を軸対称モデルを用いて行い,ノズルとターゲット間の流れに及ぼすターゲット位置および搬送ガスの種類の影響を詳細に調べた.この計算により得られた流速および密度分布を用いて金属超微粒子の運動軌跡を計算して,粒子直径と搬送ガスの種類がターゲット直前の粒子軌跡と粒子速度に及ばす影響を示した.
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